無性に寂しくなる時

たまに、心がどうしようもなく弱っている時、寂しくてどうしようもなくなる時がある。

それは、会社で上司に怒られた時かもしれないし、飼っていたペットを失った時や、失恋した時もそう。

それはきっと、自分を必要としてくれる人がこの世界には誰もいないのかもしれない。そんな感覚が、心を埋め尽くすからなのだと思う。

そんな時はいつも決まって、こう思う。

「あの頃に戻りたい。」

過去は美化されると言うけれど、寂しい時の過去は格別で、まるで冬の星空のように輝いて見える。

大好きだった恋人、もう会えなくなってしまった友達、今はもういない母親、父親、ペット。

きっと誰にでも、宝物のような時間が、過去にはある。

もう戻れないからこそ、過去は輝きを増していき、同時に寂しさを助長させる。

でも、過去はもういい。
今を生きる僕らにとっては、過ぎてしまった過去なんて、もう何の価値もないんだ。

大事なのは未来で、これからどうなっていくか。

……そう、頭では分かっていても、現実は残酷だ。

何者でも無い自分。

空っぽで何の価値もない自分。

誰からも愛されていない自分。

そんな今を見て、一体誰がこれからに希望を持てるのだろう?

あぁ、このまま隕石が落ちて、地球ごとなくなってしまえばいい……!

宇宙人が攻めてきて、核兵器でこの世を終わらせて欲しい。

それか、今日寝てから一生目覚めないでほしい。

そうすれば、この寂しさもなくなるのに。

そう思ったことだって、一度や二度じゃない。

けれどそれでも、地球はきっと明日も無事だし、来てほしく無い明日も来る。

そして、何とか1日ずつ生きていくしか無い。

その先に、宝石のように輝く過去すらガラクタに見えるような、宝物が見つかると信じて。

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