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『幻夏』 太田 愛 著

小学生が行方不明になる前の朝の風景。
小学生の目線で語られるところから始まる。

この小学生失踪事件には多くの謎がある。
・登校時に忘れ物をしたと帰ったが何故か8km離れた河原でランドセルを発見。
・1人で河原近くのお店で菓子パンとジュースを買っている。
・ランドセルが発見された河原に1時間もただ立っていた。
・失踪日は金曜なのに土曜の時間割が入っていた。
・朝の登校時から河原で目撃されるまでの9時間は何をしていたのか分からない。

行方がわからなくなった小学生を探すように依頼される鑓水 七雄(やりみず ななお)興信所の経営者。
ただ、この事件は23年前の失踪事件。

そんな時、警察官の相馬 亮介(そうま りょうすけ) が23年前の小学生失踪事件時に発見された印に酷似した印が行方不明事件の現場で見つける。

事件は常盤 理沙(ときわ りさ)12歳が図書館前から忽然と消えたというもので誘拐事件としてスピード解決を求められる。この事件、過去に起きた事件と意外な形で繋がっていく。
それに23年前に冤罪で捕まり8年服役していた男の事故死した事故とも…。

興信所の経営者の鑓水 七雄と興信所アルバイトの繁藤 修司(しげとう しゅうじ)それに警察官(交通課)
の相馬 亮介と3人で真相を探ることになる。

そして、この亮介 実は小学生失踪事件当時 失踪した小学生と友達だった。


殺人犯の家族ということで狂いだす人生。

やってもいない殺人を自供するとはどういうことなのか?
どこでどうやって何を使ってどんな気持ちで犯行を行ったのか。
それが現場の状況と一致しなければいけない。
体験していないのに。

冤罪の怖さが見えてくる。

自分も小学生・中学生の頃に体験した冒険のような描写が懐かしい故に不穏な空気がソワソワチクチクする。

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