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『光のとこにいてね』 一穂 ミチ 著
STORY
たった1人の、運命に出会った。
古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、何もかもが違った。着るもの食べるものも住む世界も。でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。
彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。
どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう…。
運命に導かれ、運命に引き裂かれる。
出会うはずのない育ちの全然違う2人の少女が出会う。
自分とは全く違う相手に興味を惹かれる。
親の都合ですぐに会えなくなるが、それでも相手に与える影響があった。
この小説を読んでいると優しい気持ちになる。
自分に良い影響を与えてくれた人を思い出して感謝した。
同時にイヤだった思い出も思い出して意外と消化できている自分に気付いた。
自分も誰かに良い影響を与えているだろうか?とも考えた。
けど、影響を与えようと思って与えられるものじゃないと思い考えるのをやめた。
なぜか、何度も泣きそうになる。
真っ直ぐさに、優しさに、理不尽さに、共感に。
自分を偽らずに生きる。それだけのことが難しく思うように生きられない。
それでも自分に向き合いどうするのか考え、そうなるように努力する。
それが正しい正しくないは別にして。
自分に対して思いを向けてみる。
いつから悩みを抱えなくなったんだろうか?
不満のない人生なのか、諦めなのか。
ラストシーンも最高の終わり方で鳥肌が立った。
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