社会不安症の娘について③
私立の入試を受けられなかったことは、
その後も親子3人の尾をひいた。
でも、わたしは希望を捨てなかった。
悔やんでも仕方ない。
定時制の高校にかけよう。
子供たちを励まし、勇気づけ、
失敗したっていいじゃないか。
そう前回の経験で思えたことが、わたしの盾になった。
結果的に、思いが通じたのか定時制の高校に入学するまで至った。
とりあえず、入学できてよかった。
でもこれからは子供達次第。
仕事があるため、毎日送り迎えするわけにはいかなかった。
不満や不安があっただろうけど、4月はほぼ休まず通っていた。
状況が変わったのは5月の連休が明けてからだ
。
お姉ちゃんが、学校に行かなくなった。
本人が行く気がないなら仕方ない。
様子を見る日々が続いた。
妹は、休みがちだったり早退したりだったが、まだなんとか通えている状況だった。
そんな中、授業参観のお知らせがあったので、わたしはどんな授業なのか観に行くことにした。
授業の様子を見る為に。
当日、わたしが学校に着いたら、
妹は登校していたにもかかわらず帰ってしまっていた。それにはとても驚かされた。
肝心な自分の子供がいない授業参観なんてと思ったが、せっかくなので観て行くことにした。
保護者はわたしひとりしかいなかった。
授業は賑やかで先生の声がかきけされ、私語が多い自由な生徒が目立った。
あぁ、なるほど。
うちの子はこの空間に馴染めなかったんだな。
勉強したいのに、できなかったんだな。
そう感じた。
それからというもの、妹も休みがちになり、結局は2人とも退学の手続きをすることになった。
わたしが通うわけじゃない。
本人が決めたことだから致し方ない。
それが今も続く、ひきこもりになる生活の始まりだ。
思い返せば、わたしが子供の気持ちをもっと汲み取れていればまた別の道があったのかもしれない。
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