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保健指導のコツ


病院とは違うのだよ、病院とは。

 病院の患者とは違い、企業などの従業員へのフォローをする産業保健職。治療目的で来ている患者と、収入を得るために職場に来ている従業員とでは根本的に関わり方が違うわけです。
 従業員に向けた保健指導は、健康状態を維持・改善するために個人やグループにはたらきかけ、適切な状態で労働力を提供できることが目的です。保健指導のポイントをまとめてみました。

1.個々のニーズに合わせる

 人々の健康状態や生活習慣は異なります。個々のニーズや状況に応じてアプローチすることが大切です。みんな違ってみんないい。
 正解はこちらが与えるんじゃなく、相手の中にあります。

2.明確なコミュニケーション

 当然ですが、人間を相手にする上で聴き方、話し方は大切です。対象者が自分の状態や目標を理解し、保健担当者とのコミュニケーションが明確であれば、保健指導の受け取り方はよりポジティブになり、効果が高まります。聴き方、話し方についてはテクニックと経験が必要ですね。

3.質問を上手に使う

 対象者に質問を促すことで、対象者本人が自分の健康状態や疑問点について考え、前向きに捉えることができます。会話の途中で挟むもよし、理解した内容を確認するために少し話してもらうもよし。対象者がインプットだけでなくアウトプットする機会を作ることでより効果増し増しです。

4.具体的な目標を立てる

 具体的で達成可能な目標を立てることが大切です。目標が明確であれば、達成するためのプロセスも明確になります。面談の際にも必ず次回の面談までの目標を立てます。その際、必ず本人が取り組めることと、本人が決めることがポイントです。「次回面談までに食事を1日2回から3回にしましょう」など少しがんばればできることがイイ感じです。

5.ポジティブな後押し

 達成した目標や改善した点、つまり「できたこと」を称賛しポジティブさを強調することで、従業員は達成感得て自信を高めることができ、モチベーションを維持しやすくなります。私は褒められて伸びるタイプです(小声)。

6.実践をサポート

 指導だけでなく、実際の行動をサポートする手段や方法を提供することが重要です。具体的な方法やリソースを提供することで、行動への移行がスムーズになります。「運動してね、あとは自分で調べてね」だと、調べることから始めなければならず、もうそこでリタイアする方も多くないでしょう。パンフレットの提供や運動の具体的な方法なんかを伝えることができれば「とにかくそれをやればいいのね!」とシンプルに行動レベルに移しやすいです。

7.継続的なフォロー

 結局その場限りの保健指導では結果は生まれません。やって終わりの保健指導ではなく、継続的なフォローアップを行うことで、習慣の定着や健康状態の改善をサポートできますし、保健担当者自らの関わりを振り返ることができます。従業員との信頼関係を築きながら、保健指導をする側も常にアップデートして習熟度を上げていきたいものです。

まとめ

 以上、保健指導のポイントでした。保健指導だけでなく、他のことにも通ずる点はあるかもしれません。いずれも根気が必要ですね。今日もがんばっていきましょ~!

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