【記者日記】兵庫県知事選·いなむら和美候補をはげます会に参加
かわすみかずみ
10月31日告示の兵庫県知事選挙。27日投開票の衆議院議員選挙の余韻も消えぬうちにまた、という兵庫県民の嘆きが聞こえそうだ。今回は8人の候補者が出馬。「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首は、公開討論会で斎藤元彦前知事の擁護を繰り返し、党内から10人程度候補者を出させるなどと言っているという。今年7月の都知事選を彷彿とさせる。
28日は、十三で午後から試写会に行った後、兵庫県知事選の立候補者、いなむら和美氏をはげます会に夕方から参加した。尼崎中小企業センターで500人規模で行われたが、座席はほぼ満席だった。近畿各地から応援に駆けつけた支援者や議員はいなむら氏に期待を寄せる。
今回の兵庫県知事選では、失職した斎藤知事への同情票が集まりつつあることや、N国党の撹乱が不安視されるが、尼崎市で3期12年も市長を務めた実績や、暴力団事務所を市内から排除したこと、市民のボトムアップ行政を推進した市民派市長のいなむら氏の評価は高い。
いなむら氏の後任で尼崎市長になった松本真市長は、斎藤知事の問題が長期化し、市民から「いいかげんにして」と言われたことなどをあげ、県政を健全化できる候補者をと、いなむら氏に声をかけたという。
県内各地を回り、県民と対話を重ねているいなむら氏はこの日、少し遅れて到着。松本市長の後、演壇に立った。「ともにひょうご。」というキャッチフレーズで、市民や職員との対話や、ともに作り上げる県政をアピールする。公約は3つ。①県民主役②地域力向上③未来への責任。
県民主役については 斎藤知事の問題における対応を検証し、ハラスメント防止条例を作るなど、踏み込んだ改革を掲げる。
地域力向上については、兵庫県内のそれぞれの地域の特色を活かした市町村の運営をバックアップする県政として「もっと市町村に利用される県政」を訴えた。未来への責任については、課題を先送りせずに次世代が暮らしやすい兵庫県を目指す。
無所属立憲系のいなむら氏の応援には、近畿の市議会議員や県議会議員など25人が駆けつけた。京都府長岡京市や伊丹市、大阪府高槻市など、遠くから駆けつける議員もいた。うち女性議員は16人で、女性議員の連帯が強く感じられた。
市民派無所属のいなむら氏の選挙選は手作りだ。会場設営からカンパ呼びかけ、選挙運動も全てボランティアの力が必要となる。
ある兵庫県民の女性(60代)は、「いなむらさんは尼崎以外は知名度が低いので心配です」という。
無所属の斎藤元知事、N国の立花氏、兵庫維新の会公認の清水貴之氏(元ABCアナウンサー)など、知名度の高い候補が多い今回の選挙では、確かに不利な面もある。だが、尼崎市での実績を活かした県民主役の行政は、百条委員会でおねだりや告発者探しを暴露された兵庫県政の腐敗を知る人々には、健全に映る。
尼崎市は白井あや市長、いなむら市長と女性市長が続き、ジェンダー的にも注目を集めた。兵庫県政に新しい風は吹くのか。投開票が待ち切れない。
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