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雲→雨→傘

みなさんこんにちは。

人生は「選択」の連続と言われています。
意識をしていなくても、日々の細かい事を「選択」していくことが、人生をつくりあげていくことになります。

しかし、いろいろなことを「選択」していると、時には迷いが生じることもあると思います。

物事を判断する基準は、自分の価値観や信念、過去の経験などです。

その判断基準に偏りや思い込みが多くなると、当然望むような結果は得られないでしょう。

そんな「判断」を客観視できるロジカルシンキングのフレームワークを紹介します。それは雲⇨雨⇨傘というものです。

<雲⇨雨⇨傘>

空を急に真っ黒な雲が覆ってきたら…

「あっ、雨が降りそう」

「だから、出掛けるなら傘を持って行こう!」


きっと、多くの方がこんな「判断」をするのではないかと思います。

でもこれって意識してやっていると思いますか? きっと無意識ですよね。

では、この傘を持っていくという一連の流れの「判断」の基準はどこにあるのか少し考えてみましょう。

まず、空に雲があることは自分だけでなく、多くの人が客観的に認知できる「事実」です。

そして、雨が降りそうだというのが、自分の「解釈」になります。
空に雲があるだけでは、全ての人が雨が降りそうだと考えるわけではないからです。

そんなはずはないだろ!と思ってしまったら、既にそれが「思考の偏り」になってしまっています。

最後の「傘を持っていく」という部分は、自分なりの「解釈」による具体的な「行動」です。

まとめると「事実」(雲)をもとに、過去の経験や知識などから「解釈」(雨)をして、具体的な「行動」(傘)に移す。

すなわち、自分がどんな「行動」をするのかは、「事実」をどう「解釈」するか次第ということになります。

同じ事実を見ても人によって解釈が変わることは、下の記事でも詳しく書いていますのでご一読ください。

ここで、一番大切なのが、事実と解釈を切り分けて考えるということです。
これが、慣れないとなかなか難しいものです。

たとえば、ある喫茶店の立て直しを依頼されたとします。喫茶店のマスターからヒアリングした内容は次の通りです。

①最近景気が悪いね。
②今月100m先に新しく喫茶店ができたよ。
③前月より客数が50%落ちている。
④アルバイトの働きがよくないんだ
⑥そういえばコンビニコーヒーも人気だね。
⑦コーヒーの売価は1杯1000円だよ。

マスターの7つの話の中で、どれが事実でどれが解釈でしょうか?
順番に見ていきたいと思います。

①最近景気が悪いね⇨「解釈」
今の経済状況をどう感じるかはその人の置かれている状況や考え方によって異なります。悪いと考える人もいれば、良いと考える人もいるかもしれません。この解釈の裏にある事実としては、
・GDPが〇〇%下がった
・同業他社が売上低下した、又は倒産した。
などが考えられます。 このような事実から「景気が悪い」と解釈しています。

②今月100m先に新しく喫茶店ができたよ⇨事実
これは自分だけでなく、多くの人が客観的に認知できる事実ですね。
100m先に新しく喫茶店ができた⇨既存顧客が取られてしまい売上が低下したと解釈することができます。

③前月より客数が50%落ちている。
これも自分だけでなく、多くの人が客観的に認知できる事実です。
客数が50%落ちたので⇨売上が良くないと解釈することができます。

④アルバイトの働きがよくないんだ⇨解釈
同じ仕事量をしていても、働きが悪いと感じる人もいればそれほど感じない人もいると思うので解釈です。
アルバイトの働きが良くないと解釈する⇨その裏にある事実⇨遅刻を〇〇回している。他のスタッフと比較して1時間あたりの業務量が半分しかこなせないなどがあるはずです。

⑥そういえばコンビニコーヒーも人気だね。⇨解釈
100杯売れても人気と思わない人もいれば、10杯しか売れなくても人気と思う人もいるかもしれないので解釈です。
もしかしたら、このマスターはテレビやSNSだけの情報を見て解釈しているだけで、具体的な事実を認識していないかもしれません。

⑦コーヒーの売価は1杯1000円だよ。⇨事実
これは簡単ですね。どんな価値のコーヒーを提供しているかにもよりますが、1000円を高いと解釈するか、安いと解釈するかで、経営戦略も変わってくるはずです。

如何でしたか?意外と簡単でしたかね?

このマスターは事実と解釈を混同して考えてしまっているかもしません。
そして解釈だけで判断してしまっている場合は思い込みでの意思決定になってしまいます。 解釈の裏にある事実は何なのかを突き止めないといけませんね。

事実⇨解釈⇨行動
いろいろな「判断」をする時に、このフレームを思い出してみてください。
事実をどう解釈するかで行動は変わってきます。
そして、解釈だけで判断せず、その裏にどんな事実が隠れているのか見ることも大切です。


雲⇨雨⇨傘のフレームワークは、下記の書籍「コンサル1年目が学ぶこと」で詳しく記載されています。とてもわかりやすく、コンサルでなくとも社会人や普段の生活でも役に立つロジックがたくさん記載されているので、おすすめです。


人生は「選択」の連続と言われています。

自分の人生を後悔しないために、明確な意思決定基準を持つことが大切ですが、それが思い込みになってしまわないように、時に雲⇨雨⇨傘のフレームにはめてみると自分を客観視できると思います。

読んでいただきありがとうございます。

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