【詩】夢の中
夜は来るから
朝が来るまで
目を閉じて
私の知らない私の中に
遠くに浮かぶ
懐かしい残像
抜け殻のように
透き通った体
振り向きもしない
その後ろ姿は
笑っているんだろうか
幸せなんだろうか
言葉のような
鼻歌のような
ため息のような
嗚咽のような
曖昧なできごとに
翻弄される
辻褄の合わないことに
思いを寄せる
まだ醒めないで
まだこのままで
この瞬間を一緒に
生きている
声を立てて笑った
声を出して泣いた
さよならもせずに
その声で目覚めた
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