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ライブレポート その1【アマノカエナ】

2023.9.10
【アマノカエナ】
in渋谷 CLUB Quatre
w/TETORA  ammo  アルステイ
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衝撃的な3時間だった。
トッパーはアルステイク。
今まではammoがトッパーで会場のボルテージを上げていくイメージだったため、Gibsonのレスポールと、sadowskyの青ベースを見た瞬間、「あっ、アルステイクだ」。期待と不安が入り交じった感情に襲われた。
ライブが始まるとその不安は気づいたらどこかへ消えていった。『心』から始まるアルステイク落ち着いた雰囲気の中にもしっかりと熱が籠っている。この時点で全身に鳥肌が立っていたが、まだまだ始まったばかり。『他人事』『一閃を超え』で本格的に渋谷クワトロを熱くする。MCを挟み5曲目の『ワンチャン』の時には既にライブハウスはサウナ状態。全員が汗をかき飛んでぶつかって体でライブを楽しんでいた。『未完成のまま』から始まる中盤戦。正直この辺りになると記憶が定かでは無い。ダイバーに巻き込まれてむちゃくちゃになって、押したり押されたり。暑さでフラフラしながら感じてた。それでもなんか、「ロックバンドは心で感じるもの」「レーベルにかける思い」「TETORA、ammoとは違う」っていう思いがなんか伝わってきて、なんか感じ取ることが出来て、体はフラフラだったけど頭は心は熱を持ちながらも落ち着いていた。
『5F』『嘘つきは勝手』でライブを締める。最近はゆっくり締めることが多い気がする。なにか変化を作ろうとしてるのか、自分の思いすごしか。ホームママ2の歌『5F』はやっぱり心に響くし、場面が思い浮かぶ気がする。田舎の大好きなライブハウスの歌を大都会東京で歌っているのを見て、グッとくるものがあった。これは岡山出身なら感じてるんじゃないかなって思う。今まで色んなアルステイクを見てきたが今回が1番良いライブをしていたと個人的には思う。

2番手はammo。
お決りのEのthe pillows『白い夏と緑の自転車 赤い髪の黒いギター』この時点で「始まるぞ」という期待感を胸に待つ。ただ待つ。個人的にSEはバンドをする上でひとつの要素となるくらい大切だと思っている。個人的には1番好きなSEだと思う。
ライブの流れを決める序盤『わかってる』『包まれる』『突風』の流れ個人的にはボルテージの高低差が1番あったのはここだと思う。capoを持った瞬間の『わかってる』ラスサビ前のテンポアップもわかってるのに気づいたら拳が上がってしまう。Gt.vo岡本優星を筆頭に一気にアルステイクの余韻がなかったかのようにライブハウスがammoの空気に。
ライブは進み中盤に差し掛かったと思ったところでピックを置き弾き語りみたいなことを始める。思わず新曲か?と期待したがまさかの『寝たフリの君へ』こんな入りがあるのかと思いながら体を揺らす。
そしてライブは終盤へ『CAUTION』がまるで再スタートの合図を着るかのようにライブは再びボルテージを上げていく。『フロントライン』『これっきり』等々おなじみだが体が勝手に反応してしまう。Ba.のソーマのベースに見とれながらもいよいよ最後の『ハニートースト』綺麗なメロディの中に力強い歌、ベース、ドラム。ammoは休みをくれない。クタクタになり終わったと思ったら岡本優星の「ammo時間押します」『後日談』Ba.が響渡る。深い歌詞の中に感じるエロさ。言い回し。気持ちのいい韻。全てが好みに刺してくる。ライブパフォーマンスを含めammoの勢いを感じるライブだったと思う。

【アマノカエナ】トリを飾るのがorange owl recordsの顔TETORA。
大掛かりの転換の後Gt左、Ba.が右のいつもの配置に。これを見ると「あぁ、TETORAが始まる」と改めて実感する。正直最近ammoの勢いがすごく取り置き数も今まではTETORA一強だったのがammo、アルステイクもそれに筆頭するくらい多くなってきて、不安に思う部分もあった。しかし、そんな不安は所詮初心者の感情であることが証明された。
『レイリー』から始まり『素顔』一切心配なんか要らなかった。ライブにかける思い、振る舞いを含めこの時点でやっぱり1番はTETORAだと感じる。「私の人生を狂わせてくれてありがとう」今回の45分間で何度も何度も叫んでいた。心の底から叫んでいた。普通じゃないまともじゃないそんな方向に進んでいくことはとても勇気と決断のおることだと思う。ただ、あの瞬間、あの光景を見れたことで、私の選んだ道は正解だったと感じることが出来たはずである。
『素直』で掴んだ勢いを落とさないままライブはどんどん流れるように進んでいく。途中MCも挟むが、時間が経てば経つほど会場はTETORA色に染っていく。これがTETORAの凄さだと改めて感じることが出来た。会場の熱が最高点に達しそうになった中盤戦、衝撃の光景。まさかのBa.のいのりが『嘘ばっかり』でダイブをする。突然の事でその瞬間は驚きが勝ったが、我に返ったときにはもう体がまるで別人のように動いていた。飛び跳ねる足、上がる拳。頭で感じる前に体が動いていた。恐らくこの会場にいた全員が同じ思いをした。限界突破に向けて進んでいく。『イーストヒルズ』『正直者だな心拍数』『言葉のレントゲン』勢いが止まらない。ただ増すばかり。
そしてラスト2曲。アンコールはやらない宣言。MCが終わり何をするのかと思っているとまさかの『抱きしめているもの』『Loser for the future』綺麗に締まった。個人的には結構特殊なセットリストだったと思う。王道の『本音』『今日くらいは』『き』『い』はやらない。少し寂しい気持ちもありながらも心は満足していた。王道を外したセトリでもここまで持ってこれる。期待を超えてくる。これがTETORAの凄さなのかとも思った。

「CDオンリー、現場至上主義」をモットーに掲げるorange owl records。誰が好き。誰が1番良かった。なんて会話は不要な気がして。好きなバンドはorange owl recordsって答えたくなるくらい、3バンドともレベルが高すぎる。それでも多分それぞれ反省点とかがあるのかなとか想像してみるとまだまだ私の心を揺さぶってくれるのかと思う。ライブハウスに自分で足を運ぶ。ライブを見る。心で感じる、拳をあげる。なんでもいい、その時の感情を思いを素直にぶつける。表現する。それがライブハウスの良さのひとつではないかなって思う。
ライブが終わりどっと疲れが体を襲う。これを感じる度にすごいライブだったなとも感じる。TETORAが終わったあとに誰一人としてアンコールをしなかった。恐らくアンコールをしなくても燃え尽きたのだろう。体が心が満足だと言っている。ライブハウスに行くことで何かが変わるかと言ったらそうでは無いかもしれない。ただ、お金を払ってドリンクチケットを買う。興味無い人からしたら理解できない行動なのかもしれないがそんなことなど気にせず今日もライブハウスに足を運ぶ。そう思う。

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