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サースペンド高校 4話

この学校ではスクールカーストがある。ボニーのように何か家庭の事情を抱えていたり、シズナのように国外からやってきて英語が上手ではない生徒は自動的にカースト下位だろう。バズとアシュラルドは計算が得意で、バズにはかなり金持ちかもしれない。ロジャーは複数言語ができるプロゲーマーだが爆発音で毎度発狂する、がジンジャーはバカにはせずロジャーも彼の名前の由来を悪くは言わない。アレスは一見普通女子だがトランスジェンダーでエルサとつるんでいる。ロミーは気になっているケンジから車でデートに誘われたけれど、両親には秘密だ。


サースペンド高校にも問題がある。
ストライカー「もらい。」
ロジャー「お菓子が!」
ジンジャー「そんな。」
男子生徒のお菓子を取って食べた。
バズ「今日はこのくらいで…イタイ!」
アシュラルド「バズ!大丈夫か!」
ストライカーがボールをバズに当てた。
ストライカー「何見てんだよ。お前ら勉強しか友達じゃないのか?」
エイセーブ「何かこいつらといると、こっちもルーザーになるわ。」
スティーブン「やりすぎだぞ。もうすぐで先生来るから、ここは離れたほうが良い。」
この学校には小さなイジメがある。
男子生徒「うわ!」
ある男子生徒は3年生の子から押し飛ばされて、ロッカーにぶつかった。
女子生徒「うわ臭い!あんた家金ないからお風呂もないんでしょ?信じられない!」
女子生徒2「これは体質で…」
サースペンド高校は生徒数が多すぎて、目立つロミーやストライカー以外も他の生徒に意地悪する生徒がいる。
エマ「あら私を見た瞬間睨むなんて怖いわ。」
メグ「今の写真取ったから。これケンジが見たらショック受けるかも。」
ロミー「先手は先に打ってるのよ。もうすでにケンジにあんたのこと言ってあるの。」
ピテラ「あんたは一生誰かの本命なんかにはなれないの。分かった?」
エマ「そうやってすぐケンジを捨てる尻軽女なのね。ケンジが可哀想だわ。」
生徒感の緊迫した空気もあった。
教員「うわ、今日もベラが機嫌悪いわ。」
教員2「学校も何であんな人やめさせないわけ?」
問題は生徒達だけではなかった。
ベラ「これから授業をはじめます。」
大体の授業は大人数で行うことはない。しかし女教師ベラの理科の授業は40人で行う大規模な授業だ。
ロミー、ピテラ、ヘネシー、ストライカー、ケンジ、スティーブン、マリ、エイセーブ、エマ、メグ、リン、テバクル、ニゲル、カマロ、バズ、アシュラルド、ボニー、シズナ、ジンジャー、ロジャー、アレス、エルサなども参加している。
ベラ「今日は細胞について説明します。」
ベラはボニーと目が合う。
ベラ「何睨んでるの?私の授業が気に食わないのかしら?」
ボニー「私は何も…」
ベラ「そうやってまた言い訳するのね。」
ベラは校内では誰も知らない人がいないくらいヒステリックで理不尽な教師で有名だ。基本スクールカースト上位の女子と男子には甘い典型的な人を選ぶようなタイプだ。誰も彼女が笑った所を見た教職員や生徒はいない。
ベラ「私が気に食わないか知らないけど、授業の邪魔は許せないわね。」
シズナ「何で怒ってる…?」
シズナはボニーの方を見た。何故ベラがこんなに怒ってるのか分からなかった。
ボニー「シズナ、私のことは良いから。」
ベラ「ボニー、こんな時でも無駄話するわけ?」
教室はざわついた。
女子生徒「またはじまりそうじゃん。」
マリ「こうなることなんて何となく想像ついたけど。まあうちらには優しいから良いし、あのシズナって子嫌いだから痛い目合えば良いと思ってるわ。」
男子生徒「そろそろ先生キレるぞ。」
周りの生徒達が煽る。
ロミー「映画見よう!」
ピテラ「良いね!」
ここまで理科の授業が崩壊してる学校は中々ない。
アレス「あの人またキレてるよ。そのうち倒れるんじゃねーか?」
エルサ「あういう人面倒臭いんだよね。」
ベラ「ボニー、シズナ、アレス、シズナ前に立ちなさい。」
エルサ「本当にだる。」
ベラ「まずはボニー。あんた家が貧乏だからってこんな服しか着てないのね。目つきの悪さで育ちが悪いって分かるわ。あんたデザイナー目指してるわけ?あんたのような人間どこも雇ってくれないのよ。それにあんたの服なんて長いスパンで見れば続けて買うような人はいなのよ。」
ストレス発散のようにサンドバッグに出来そうな生徒に暴言を吐いたり、希望をなくすようなことを言った。
シズナ「ボニーこれ続くの?」
ボニー「うん。」
ベラ「シズナ、あんたチェコから来たのよね。ここ最近移民が私達の住む土地や職を盗んでるのよ。あなたのようなアメリカに住み込むお荷物はいらないの。外国人ばかり入れたから犯罪などがあとを絶たないわね。英語が出来ないのであれば国に帰るべきね。言葉が通じない人は話も通じないのよ。」
シズナ「早くて聞き取れない。」
ボニー「聞き取らなくて良いよ。」
ベラ「アレス、この格好は何?私の授業にふさわしくない格好ね。」
アレス「そうですか?先生も一緒に来てみますか?」
男子生徒「何あいつ、おもしれー。」
クラスメイト数名が笑った。
ベラ「もうあんたは良いわ。エルサ、あんたにも言ってるのよ!」
エルサ「はい。」
ベラ「こんな悪魔を崇拝してるような格好私の授業では禁止よ。サタンは世の中の秩序を崩壊させるのよ。」
ベラはエルサに水をかけた。
男子生徒「ベラがついにマジギレ!」
スティーブン「流石にあれはやりすぎじゃねーか?」
リン「あまり関わりたくないな。」
ニゲル「授業は?」
おかしい事だと思っても皆、自分のことしか考えていなかったが、心の奥底で心配する生徒もいた。
ベラ「これでその悪魔のようなメイク落としたらどうなの?」
エルサは無反応だった。アレスにも水をかける。アレスが好きなロックバンドのCDを取り上げて踏む。
ベラ「こんなのばかり聞いてるからあんたは駄目なのよ。」
怒鳴り声がアレスとエルサの耳元に響く。
アレス「先生それはねーよ!」
エルサの手を引っ張って、アレスは教室を出た。
ベラ「皆見なさい。あれが負け犬なのよ。厳しい世の中に生きれないものはあんなふうに理不尽な目に合うってことよ。」
ベラに逆らうと成績を下げられてしまいかねないので皆中々逆らえなかった。
ベラ「二人とも立ちながら授業聞いてなさい。」
ボニーは泣きながら授業を受けていた。
ベラ「シズナあんたゴミを教室ばら撒いてるじゃないの!」
ボニー「これは彼女のじゃないです。」
ベラ「そうやって責任を誰かになすりつけるのね!ボニーとシズナこっちに来なさい。」
ボニー「キャーー!」
ベラはマジックで服を汚した。
教員「何の騒ぎですか?」 
ベラ「この子反応が大げさなんです。特に何もないので気にしないでください。」
ベラは他の教師の前では何もなかったかのように振る舞った。
ベラ「これがミトコンドリアって言うのよ。」
ボニー達は終始授業中立ちっぱなしだった。
ベラ「ボニー、シズナ、アレス、エルサ次授業の邪魔をしたらこんなのじゃ済まないわ。特にアレスとエルサ、その服やめるならあんた達は授業参加する資格があるわ。」
ベラの授業が終わるとそれぞれ思うことがあった。
シズナ「あの人感じ悪い。どうしてなの?」
ボニー「常に怒ってる感じなんだよね。私達を感情の吐け口にしたいだけだと思う。」
アレス「ベラ先生、ゴス似合うと思うんだけどな。」
エルサ「次の授業何かしら。」
マリ「シズナ、あんた英語がろくに喋れないのによくアメリカの学校なんていれるわね?何か悪い物でも食べたのかしら?」
マリは嫌味を言ってその場を去った。
シズナは何言ってるか分からなくても、マリが自分のことを敵視してるのはよく分かったが、それほど敵視するほどの相手だとは思わなかった。 
アレス「でも先生がチアリーダーやるよりうちらのような格好のほうが合うと思うけどな。声大きいし、バンドやってもらいたい。」
ちなみにベラはロックバンドが大嫌いで聞くのはクラッシックばかりだ。
エルサ「あんたそれいつまで言ってるわけ?先生はそんな趣味ないの一目瞭然じゃん。あんたの頭の中はファンタジックね。そういう所嫌いじゃないけど。」
アレス「エルサは現実的すぎるんだよ。ちょっとは希望くらい持つと人生楽しいぞ!」
エルサ「無理、却下。」
相変わらずのポーカーフェイスだ。
ボニー「あっ、ムムナだ。」
シズナ「さっき授業いた?」
アレス「いたいた。ムムナ謎が多いんだよな。」
ボニー「確かに私もまともに話し事ないな。」
スクールカーストはサースペンド高校に存在するが、どこのグループにも存在しない謎の深い存在といえば、ムムナだ。名前もかなり不思議な名前だ。
ムムナ「次の授業寝たら怒られそうだな。」
彼女はかなりのマイペースだ。自分の世界しか見てない子で、授業中は寝てるか薬学の本をひたすら読んでいる。睡眠と薬学についての知識は誰よりもある。
ムムナ「アーモンド社の枕がぴったりだ。」
長年の分析の結果、アーモンド社の枕がぐっすり眠れるデータを出している。
ムムナ「カマロって子、あの枕より低反発な枕にすれば良いのに。」
枕や寝具の知識も豊富だ。
女子生徒「ゴホゴホ。席が止まらない。」
ムムナ「咳止め飲んで。」
女子生徒「誰?怖い!」
ムムナは常に薬を持ち歩いてる。
ムムナ「葉っぱ最高。」
お家ではこんな一面も!
ボニー「ムムナって常に誰かといる感じじゃないよね。私一度も話したことないな。」
ムムナはどこかのグループには属さないし、友達もいない。まさに孤独に強いようなタイプの子だ。
ベラ「あんたいたのね。」 
男子生徒「あいつゴーストじゃん!」
教師からも気づかれないこともある。
ムムナ「お母さん梨美味しすぎる!」
ムムナは中華系とフィリピン系の家系の子だ。おばあちゃんが梨農家でたまに手伝うこともある。
ムムナ母「まだまだたくさんあるから食べて。」
この学校で最強なのは彼女かもしれない。
ライク「何だあの教師。絶対かぶりたくない。」
パーセク「理科の教師らしいぞ。でも俺ら男子には何もしないから特に害はないぞ。」
廊下にベラの怒った声が響く。
ベラ「ちょっとボニー!廊下にゴミが落ちてるじゃないの!今、あんたが落としたの見たわ!問題行動が多すぎるんじゃないの?さっきの授業で反省してないようね。」 
ボニー「これはわざとじゃないです。」
ベラ「秩序を乱すような人に言い訳する権利なんてないのよ。」
ボニーの顔にゴミをあてる。
シズナ「先生、もうやめてください。」
ベラ「あら、英語の一つくらい覚えたようね。そこだけは褒めてやるわ。だけど今私はボニーと話してるのよ。言葉が分からない人って本当に困るわね!」
スティーブンとヘネシーとケンジが遠くから様子を見ていた。
スティーブン「うわ、あんな人が教師やってるってひくわ。」
ケンジ「それよりバスケしようぜ。」
ヘネシー「そうよ。私達には関係ない問題よ。」
説教が終わるとシズナは怒っていた。
シズナ「ボニー、あんたは悪くない。良い子。」
ボニー「かばってくれてありがとう。」
シズナははじめて親切にしてくれたボニーが問題教師からこんな対応をされるのが許せなかった。
ボニー「シズナ。」
シズナ「ボニー。私がいる。」
ボニーとシズナはハグをし合う。
カルラ「あら、二人とも仲良しね。」
職員のカルラが校内を掃除していた。
シズナ「もしかして。チェコ語話せますか?」
カルラ「やっぱりチェコから来たのね。英語の話し方で分かったわ。私もチェコ出身よ。まだ民主化してないし、スロヴァキアと一緒の時代だったわ。学生時代なんて懐かしい。」
シズナ「おばあさん、友達のボニーです。」
シズナとカルラはチェコ語で話した。カルラもチェコの出身だ。若い頃、プラハの春のデモ隊として活躍していた。
カルラ「何か学校で困ってることあったらいつでも相談にのるよ。」
シズナ「本当ですか?英語が話せないから困ったことばかりですよ。」
ボニーは二人が何を話しているのか分からなかったが、後ほどカルラが要約してくれた。
シズナ「それじゃあ、おばあちゃん。またね。」
カルラと別れたあと、ボニーと二人きりになった。
ボニー「まさか掃除のおばあちゃんがチェコの人だったなんて。」
シズナ「私もビックリよ。ボニーもいて、チェコ人のおばあちゃんもいるから、ちょっとは安心したわ。」
ボニー「良かったね。」
シズナ「そう言えば、校長とまだ会ったことないけどどんな人なんだろう。」
ボニー「校長はこの人よ。」
ボニーは帰りの時間になり、家に帰宅した。
ボニー「お母さん、ただいま。」
ボニー母「おかえり。」
家はとても緊張感があった。
ボニー「ねえ、前みたいに服屋再開しようよ。」
ボニー母「馬鹿言わないで。お父さんとあんたのお姉ちゃんがいないのに服屋なんて出来ないでしょ。それにあんたを養ってくのに必死なの。服じゃ家庭を支えられないわ。」
昔は普通の水準の家庭だったが、ボニーは母と父が離婚してから経済的に余裕のない家庭になった。面白半分で来た女の子達からボニーは貧乏なのが発覚して、一部の子達は馬鹿にされるようになった。かなり複雑な家庭だ。
ニコラス「お坊ちゃま、今日は元気なさそうですね。何か学校であったんですか?」
ニゲルはヘリコプター下校中、操縦士のニコラスに話しかけられた。
ニゲル「別に何もないよ。気にしないで。」
彼の見ている空の景色がだんだんベラの授業風景に変わっていく。
ニコラス「お坊ちゃま、起きてください!」
気がついたらニゲルは寝ていた。学校内のことで思うことがあるようだった。




キャラクター紹介
元になったキャラクターを紹介していきます。
(今回新しく登場したキャラクターの解説です)

例:
本作キャラ名:(本編と違う場合元のキャラ名)
(元のキャラの設定説明)

ベラ.ホワイト:クビナガさん
ピタ子ワールドのキャラクター。些細なことでヒステリックを起こしてしまい、終いには火を吹く巨大な白鳥。しかし彼女のヒステリックが好きな変人は怖がる。車に相当する空飛ぶ絨毯を複数持っているのでお金持ちかもしれない。

ムムナ:
ロンローの作品Weapon_familiarに登場する眠りの梨(手榴弾)、数メートル範囲の人を眠らせてしまう、単眼の子で彼女を見ているだけで眠くなってくる、何を考えているかわからなく、彼女の経歴はロンローのパートナーのハイシャンC.Naのみ知っている

カルラ:音の妖精
ピタ子ワールドのキャラクター、かなり初期からいる存在でピタ子ワールドの誕生の神話に関係している、彼女はチェコ出身で相棒のカレルとともに行動している。音を操れる能力がある。チェコの音楽大学に通ってたこともあったらしい。

※ニコラス:
本作ニゲルの家に遣えている使用人、特にモデルにしたキャラはいないがモブにしてはしっかり名前があるため
無理やり割り当てるなら、ロンローが描いたWeapon_familiar系のキャラのプテラノドン(爆撃機)かとロンローが勝手に思っている。


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