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奥武蔵ロングトレイル2024を振り返って(備忘メモ)


奥武蔵ロングトレイルの概要

 奥武蔵ロングトレイルは、埼玉県飯能市にある飯能中央公園を起点に、標高300〜1200mの低山をつなぐ総距離105kmのコースです。
【大会HP】
https://okumusashi105k-race.com
 今回は、6月8日(土)の朝6時にスタートする105kの部と、翌9日(日)にスタートする35kの部があり、105kの部に参加してきました。
 この大会は今回で2回目ということで、あまり事前情報(前回大会の区間タイムなど)がありませんでしたが、前月にトレニックワールド彩の国に出ていて、一部コースが被っていたので、山域のイメージはなんとなく掴んでいました。

コースのイメージ

 コースは、スタートからA2までの序盤、A2〜A4までの核心部、A4〜A5の繋ぎ区間、A5〜ゴールまでのアップダウンが減る終盤に分かれていると考えていました。

105kの部のコース断面図

前々日までの準備など

コースの予習

 前述のとおり、大会の情報、特に区間タイムの目安がなく、参加者によるYoutube投稿も105kに関してはほとんどない状況。テレビ埼玉(テレ玉)が作成した番組がYoutubeに載っているものの、トップ以外はあまり映されておらず、もっぱら35kの部と大会の運営やエイド(地元の方々の協力)が中心だったと思う。
 ただ、Youtubeで105kのコースをご自身の足で全て走破して紹介しているチャンネル(等倍速で投稿)があり、大会の1週間〜10日前に一通り視聴して、コースの予習をした。なかなか試走にも行けないので、本当に助かりました。この場を借りて御礼したいと思います。
 【コース投稿チャンネル】
  「Sakuの歩いたり駆けたり」
   https://youtu.be/Fp3VXL__RSQ?si=Ps-fhv4cI6lK5M3o

練習・テーパリング

 前月に同じ山域のTW彩の国100mileに出たので、練習内容はそちらと同じ。
 テーパリングについては、100mile後3週間なので、とにかく疲れを抜くことを意識して、練習量を落とし、ピークを維持することを意識した。
 5月上中旬は暑くなったが、下旬〜6月初めは肌寒くなったので、暑熱対策としてジムのサウナや風呂も利用して、汗をかける身体の維持に努めた。

大会前日

 前日の金曜日は休暇をとり、高速バスで移動。この大会は前日受付が必須で、必携品チェックもあることから、荷物は送らずにすべて持って歩いた。必携品や携帯食(ジェルなど)が多くてバックがかなり重く、飯能駅から受付会場(スタート地点と同じ飯能中央公園)までは遠く感じた。
 受付には16時半頃到着した。必携品チェックはかなりしっかりと行われるので、可能なら必携品をスーパーの買い物かごのようなものに詰め込んで車で行ったほうが無難だと思う。
 前日の宿は、飯能駅前のビジネスホテルを確保。選手は近くの小学校(女性は中学校)で前泊(ゴール後の仮眠も)できるが、体育館ではうまく眠れる自信がなかったので回避。体育館に泊まった方の中には、眠れずに、自分の車で車中泊したという方もいた。
 ホテルにチェックイン後、飯能駅前にあるスーパーで翌日の朝食や飲料を購入し、ついでに飯能駅にある日高屋で生姜焼き定食と餃子を夕飯にした(最近の定番メニュー)。
 ホテルでは、翌日の装備チェックやデポバック(A4の名栗げんきプラザ:59km地点)の準備のほか、睡眠対策としては湯船にお湯をためて入った。シャワーだけでなく湯船に浸かると寝入りが安定する感じがする。
 2〜3日前から睡眠中の鼻水・鼻づまりが気になっていたので鼻炎薬を飲んだのも、眠気を誘発したかもしれない。

スタート・ゴール(前日に撮影)

当日朝〜スタート前

 目覚ましをかけていた3時の5分前に目が覚めたので、そのまま支度を開始。
 歯磨き後にバナナを食べ、シャワーを浴びて髭を剃り、股擦れ・マメの防止にワセリン(Protect J1)を大量に塗り込む。
 隠れる部分からテーピングして、前日に調達した値引き品のツナ巻きと稲荷寿司を腹に収める。
 6時スタートだが、荷物やデポバックの預かりが5時半までのため、5時にチェックアウトし会場に向かう。同じように荷物を持ったランナーっぽい人が何人もいて、徐々にレース感が高まる。
 会場では特にやることもなく、荷物を預けてトイレを済ませると、仙台から参加されている方2名とばったり遭遇。3名で写真を撮ったりして、ゆるっとスタートラインに並ぶ。

仙台のお二人とスタート前の記念撮影

当日の装備・携行品

装備は基本的に彩の国と同じ。
 Tシャツ:Answer4
 パンツ:The North Face エンデュランスショーツ
 下着(下):モンベル ジオライン クールメッシュ
 ソックス:ハイカートラッシュ トレイルマジック
 カーフカバー:ZAMST
 シューズ:HOKA Speed Goat5
 グローブ:AXESQUIN メッシュグローブ
 キャップ:FEELCAP TRAIL EXPLORE CAP
 ザック:Mouse On Trail DATE15
 ボトル:OSPREY
 ライト:(頭)LEDLENSER H8R、(腰)マイルストーン MS-i1
 ウエストベルト・ゼッケンベルト:INNER-FACT
 レインウェア:(上)モンベル トレントフライヤージャケット
        (下)ワークマン イナレムレインパンツ(耐水圧20000mm) 

ザック:Mouse On Trail DATE15

携行食は彩の国で余ったものを中心に用意
 ドリンク(粉):アミノバイタル、パラチノース、チャレンジャー
 ジェル関係:メダリスト(グレープフルーツ、コーヒー)
       マグオン(グレープフルーツ、バナナ)
       Ando(塩入、塩なし)
       ファミマ 桃わらび餅(話題だったので急遽投入)
 その他:ラムネ(大粒)、梅干し純

アミノバイタルとパラチノース 基本セットで使用

スタート〜WA東峠:9km

 スタートして公園を出ると1.5kmくらいロードを走る。歩道にランナーが横いっぱいに広がるので、どうしてもペースが遅くなる。一方でかなりのペースで入っているランナーもいて、いらない心配をしてしまう。
 最初のペースは走りにくさを感じたものの、線路を越える高架の坂で縦長になるので、コース最初の山になる多峯主山のトレイルに入る頃にはペースが安定してくる。本格的なトレイルを走るのは彩の国以来のため、登り下りの感覚がうまく掴めずにちょっと力を使ってしまっている感じもあり、とにかくペースを抑え気味にすることを意識する。
 住宅地の裏山を走ってから「飯能アルプス」の入口に入ると、徐々に本格的なトレイルになっていく。100mileを走る感覚でジョグペースを意識するが、周りにつられている感じもする。
 自分の今回のゴール予想タイムは21時間くらい。本当は「20時間切り」という目標設定をしようかと迷ったが、3週間前に100mileを走っているし、昨年のリザルトを見てもかなり厳しいライン(20時間を切ったのは2位の選手まで)でもあり、結果ばかり追い求めたら面白くないということで、予想タイムも目標ではなく目安として設定。昨年のテレ玉の放送内容を見ても、エイドが充実してそうだったので、それを楽しみながら、夜明け前(22時間)〜24時間以内でゴールできたらいいかなと考えていた。
 この区間はそれほど厳しい登りもなかったが、基本的に登り基調のため、飲料水飲みが置かれた東峠のWA(天覚山への登山口に設置)まで、ちょっと長く感じた。自分が用意していたタイムテーブルに対しては14分ほどのビハインド。トイレには寄ったが補給はせずに先に進む。
[区間タイム 当初予想→1:12、実際→1:26]

東峠〜子の権現:8km(17km地点)

 東峠のWAから天覚山の登りにとりつく。天覚山〜前坂は彩の国のSouth1と同じコースとなるため、特に天覚山の急登に苦しめられた記憶が蘇る。しかし、今回はコース全体での最初の急登で山頂もスタートから10km地点と序盤なことから、脚も気力もフレッシュでそれほどのキツさを感じずに登りきれた。
 彩の国のSouth1として通過した際はすでに日も暮れていたため、ほとんど景色を感じることはなかったが、今回は日中の明るい時間帯に通過するので、新鮮に感じたし走りやすかった。まだ前後に選手もいて、あまり道に不安を感じることもなく、自分のペースを刻むことだけを考えて進む。東峠までのビハインドは気になったが、この区間だけで挽回しようとすると無理が祟るので、あまり気にしないように心がけた。
 子の権現のエイドは風神・雷神像や茶屋の手前に設置されていて、このレース最初のフルエイド(フードあり)となる。フードではバナナや大福があったが、ドリンクは水かスポーツドリンクのみ(この後のエイドもフードの違いはあるがドリンクはほぼ同じ)。次の区間は下り基調で距離も10km程度なので、水分は気持ち少なめに補充して出発。
[区間タイム(エイド滞在含む)当初予想→1:49、実際→1:45]

子の権現〜原市場:10km(27km地点)

 この区間は基本的になだらかな下り基調。彩の国ではSouth2の核心部に当たる部分だが、逆方向に進むのと脚がフレッシュなことから気持ちよく走れるように感じる。
 子の権現のエイドを出たところで、二人組の選手と合流。最初は知り合い同士なのかな?と思っていたが、この大会で初めて会ったとのこと。一人は埼玉の40代の男性、もう一人は22歳の静岡の男性だった。
 二人とも100km超のレースは初めてということで、先輩風を吹かせて?トレインの先頭を会話しながら走っていたら木の根につまづいて盛大に転倒してしまった。手のひらと肘を擦りむき、足の付け根の外側を強く打ってしまったため、一緒の二人には先に行ってもらうようにお願いしたが、「ちょうどいいペースなので、このまま引っ張ってください」と言われて、同じ隊列で進むことになった。調子に乗らないようにすることも大事!
 周助山からの急な下りを終えてロードをしばらく進むと原市場のエイドとなる。食堂?喫茶店?の駐車場に設置されていて、お店のトイレを使うことができる。
 このエイドの名物は「鹿肉うどん(冷)」。鹿肉も珍しいが、うどんにすごく弾力があって歯を弾くような感覚。おつゆも含め美味しくいただいた。22歳の彼は3杯食べたらしい。そのほかのフードでは、きゅうりに塩を振って食べたり、バナナをいただいた。ミストシャワーに加え、ホースシャワーで水浴びもできるので、転んで怪我した箇所を洗い流して、頭に水をかぶることもできた。次の区間を見据えて水分を十分に補充し、埼玉の選手と二人で出発(静岡の彼は3杯目のうどんを食べていたので、後ほどの合流を誓う)
[区間タイム(エイド滞在含む)当初予想→1:25、実際→1:24]

原市場〜ノーラ名栗:14km(41km地点)

 この区間はレースコースの核心部の前半と考えていて、気温が高くなる時間帯になることに加え、集落からトレイルに入った直後の登りと、小沢峠〜黒山の登りが厳しいだろうと予想していた。
 実際にはその2箇所だけでなく、絶え間なくアップダウンを繰り返しながら徐々に登っていくレイアウトとノーラ名栗に降りる際の急な下りにも手を焼いた。気温については、水分や塩分(梅干し純)をこまめに補給したことに加えて、稜線を進むこともあって時々吹く風が気持ちよく、それほど暑さは感じなかった。
 途中でエイドの補給で遅れていた静岡の若手選手が追いついてきたので、流石に若さを感じた。一方で、エイドから一緒した埼玉の選手が登りでペースを落としてしまい、静岡の選手と二人で先に行くことになった。静岡の彼は直前に疲労骨折をしていたそうで、登りはいいが下りや平坦は脚が痛むので悔しいと話していた。今回は26時間以内あたりを目指しているそうで、次のノーラ名栗で大休憩を取る予定と話していた。
 そうこうしているうちに、静岡の選手とも離れてしまい、一人旅に。この区間の中盤(黒山あたり)〜終盤はハイカーの方が多く、至る所で道を譲っていただいた。「頑張って!」と応援してくれる方も多く、「どこまで行くの?」と問われて「まだ全体の半分ですが、次は武川岳まで行きますよ」と答えたらかなり驚かれた。
 区間最後の急な下りでは、木の根が張りわたっていてスムーズに下れず、何人かの選手に追い抜かれた。こういったテクニカルな下りは得意じゃないので悔しいが、安全第一。
 ノーラ名栗のエイドは高台にあって、そこまでの登り坂は歩いて進む。次の区間は18kmある上に途中で水分も補給できないため、十分な補給・補充が必要。エイドにある冷えたプチトマトと塩の組み合わせがとにかく美味しい。バナナや大福もいただいてお腹を満たす。水分もグビグビ飲んだ上で、チャレンジャーの粉末を入れたボトル500mlと、水のボトルを500ml×2、300mlくらい×1の計1.8Lくらい持つことにした(過去の経験から、3時間でおよそ1〜1.2Lくらい消費するので、予想タイム4時間として補給を計算)。氷を入れて冷えた水はとても美味しかったが、チャレンジャーの粉末が固まったまま溶けず、ボトルを振りながら走ることになったのには少し困った。
[区間タイム(エイド滞在含む)当初予想→3:26、実際→2:53]

ノーラ名栗〜名栗げんきプラザ:18km(59km地点)

 ノーラ名栗を出ると、すぐに金比羅神社・金比羅山に向かう急登になる。この区間からストックが使えるため、多くの選手がストックを使って登っていた。僕はストックを持っていない(使ったことがない)ので、一歩一歩脚を上げて進むだけ。
 この区間は、標高1000mを超える蕨山までの登り、そこから武川岳まで標高1000m〜1200mの間を幾度も繰り返す稜線、武川岳からエイドまでの下りの大きく3つのパートに分かれている。
 蕨山まではほぼ登りしかないので辛抱強く行く。蕨山を越えると有間山(橋小屋の頭)を右折し、鳥首峠・ウノタワまでは1000mを超えているので空気も若干冷んやりとして風も気持ちいい。この時点で既に15時頃になっていて、ここからは徐々に気温も落ちてくる。
 大持山手前の分岐に登る途中でザックの胸ポケットに入れたボトルの水が切れたので、ウエストベルトに入れていたフラスクの水をボトルに移し替える。エイドの間隔が長いと持たなければならない水や携行食の量も増えるので、その点でもこの大会は厳し目の設定だと思う。
 ノーラ名栗を出てすぐにゼッケンベルトに取り付けたトラッシュポーチがジェルやドリンク粉末のゴミでいっぱいになっていることに気づいたが、そのためだけに戻るわけにもいかず、そのまま進んでいたが、どうしても気になって仕方がないので、途中でウエストポケットに忍ばせておいたジップロックの袋にゴミを移し替えた(ジップロックにはエイドでもらった大福を1つ入れていたので、それを食べてから詰め替えた)。こういう時だけじゃないが、ジップロックは本当に役に立つ。
 区間の後半になると、女子1位の姿がチラチラと見えてくる。見えるのはいつも登りに差し掛かったところで、自分が登りきった時には姿が見えないというのが何度も繰り返される。ほぼ一人旅となっているが、前方に選手が見えるだけで気持ちがかなり違ってくる。
 名栗げんきプラザに到着すると、何人かの選手が滞留していた。救護スタッフに診てもらっている人や、シートに座ってうなだれている人もいて、この大会の過酷さを表しているような感じ。
 このエイドではデポバックを受け取れる。デポバックは翌日の13時にスタート会場へ戻ってくるとのことだったので、僕は着替えなどは入れず、この先の区間で使用する腰ライト(ヘッドライト+予備ライトはスタートから携帯)や携行食を入れていた。また、胃腸対策とリフレッシュを兼ねて、成城石井の10倍ジンジャーエールとヘパリーゼHiプラスドリンクも忍ばせておいた。
 お味噌汁やおにぎりをいただき、水分を補充。出発前にトイレ、と思ったら階段を登った上の方にあってちょっときつかった。女子1位の選手は味噌汁を飲んでいるうちに出発してしまったので、再び追いかけることになった。
[区間タイム(エイド滞在含む)当初予想→4:30、実際→4:10]

名栗げんきプラザ〜ビジターセンター:13km(72km地点)

 ロードを少し(1km弱)進むと伊豆ヶ岳への急登になる(この大会はエイドからの急登が結構多い)。この区間はつなぎ区間と思っていたけれど、最初から結構パンチの効いたレイアウトになっている。
 伊豆ヶ岳を越えると一旦正丸峠まで降りて、そこからアップダウンを繰り返しつつ虚空蔵峠・刈場坂峠・ツツジ山へと登っていく。思っていたよりも強度が高く、前の区間で核心部は終わりと思って安心していた心をポッキリと折られてしまう。想定以上に時間がかかり、最初の区間に続き、この区間でも当初予想からビハインドとなった。
 正丸峠を過ぎたあたりから日が暮れてきたのでヘッドライトを付け始める。ツツジ山からの下りからは腰ライトも使っていく。約4.5kmで標高879mから276mまで600mくらいを一気に下っていくが、足元が暗い上に木の根や滑りやすい斜面も多い。刈場坂峠あたりで女子1位の選手に追いつくものの、この下りで一度離されてしまった。それでもエイドの手前でなんとか追いついた。
 ビジターセンターではバナナに塩を振って食べた他、コーンスープをいただく。次のエイドまでも長丁場になりそうだったので、水分を十分に補充して出発。
[区間タイム(エイド滞在含む)当初予想→2:40、実際→2:56]

ビジターセンター〜WA阿寺諏訪神社:15km(87km地点)

 今回のレースの戦略として、ビジターセンターまではとにかく自分のペースを維持して無理をしないこととし、ビジターセンター以降は場合によって少し頑張ろうと思っていた。
 この区間は、エイド直後から飯盛峠までのおよそ7kmが、ほぼ舗装路と林道の登りになっている。Youtubeを見ていて、この舗装路・林道で集中力を切らさないようにすれば、トレイルよりも早いペースで進むことができると考えていた。一方で、単調なため、眠気に襲われないように途中でカフェイン入りのジェルを取るようにした。
 飯盛峠のあたりは舗装路とトレイルを出たり入ったりするため、コースがわかりにくい。そこから関八州見晴台に行くと高山不動尊を経由する下りになる。途中の急な下りもあったが、今回、役に立ったのが「ラムネ」。急な下りに入る前に1粒食べておくと、集中力が維持できるように感じた。
 一旦降ってから、顔振峠まで登っていく。この途中で一人の選手に追いついた。「先にどうぞ」と言われて前に出たが、アップダウンを繰り返す中であまり差は広がらない。結局、WAにはほぼ同着となった。
 WAには水しかないので、長居はせず、水分のみ補充して出発。この区間では予想よりもタイムを大幅に縮めることができた。
[区間タイム(エイド滞在含む)当初予想→3:15、実際→2:36]

WA阿寺諏訪神社〜長念寺:9km(96km地点)

 ここからはユガテまで下り基調となる。トレイルも急登・急な下りはなく、走れる部分も多い。夜になって涼しさもあり、水分も日中に比べればシビアにならずに済む。
 先ほどのエイドで一緒になった選手と抜きつ抜かれつという感じで進む。ユガテのあたりからは彩の国で通ったが、ここも逆走のため印象がまったく違う。コースマップ上ではよくわからない登り下りの連続で、意外に時間がかかってしまった。
 エイド手前の愛宕山では、テレビの撮影班が待ち構えていて、いろいろと聞かれる。「残り行けますか?」と聞かれたので、「ここまで来たら行くしかないでしょう!」と答えた。
 エイドのある長念寺では、コースを示すように綺麗にイリュミネーションされていて、夜に通過する選手だけが楽しめるようになっている。
 エイドでは、きゅうりの漬物とそうめんをいただく。汗はあまりかいていないと思っていたが、きゅうりの漬物が美味しくて手が止まらない。そうめんもいただいて、ラストの区間に備える。
 ここにも取材クルーがいて、カメラを向けられる。夜なので使われるかわからないけど、少しでも映っていたらいいなと思いつつ、エイドを後にする。
[区間タイム(エイド滞在含む)当初予想→1:35、実際→1:44]

長念寺〜ゴール:9km(105km)

 エイド手前で抜いた選手もエイドに入ってきていたので、最終区間は頑張ることにする。順位はおそらく9位と言われていたと思う。できれば1桁順位でゴールしたい。
 釜戸山への登りは長く走ってきた脚には厳しいが、これを登り切ればほぼほぼ登りは終わり。そう思って最後の力を出す。釜戸山の山頂で別の方向に下ってしまい、100mほどロスト。ロストした後の登りは精神的に堪える。
 それでも往路との分岐につくと、あとは下って3kmほど先の舗装路を目指すだけ。できるだけ速くと思っていると、途中で木の根に滑って転び、腰を打ってしまった。それでも街の明かりが見えてくると、いよいよゴールが近いことを意識する。
 ロードに出て信号待ちを経て、あとは深夜の街を走るだけ。それが長く感じる。いつもであれば3kmくらいはあっという間という感じだが、なかなかゴール会場の中央公園が見えてこない。
 途中に何人も誘導係のスタッフがいて、深夜の肌寒い時間帯で本当に頭が下がる。深夜であまり大声は出せないが、「お疲れ様です」と言いながら走った。
 結局、追いつかれることなく、そのままゴールテープを切ることができた。ゴール直後もテレビの取材を受けて、興奮のあまり、回らない頭でいろいろと話してしまった。
 ゴールタイムは予想タイムを大幅に下回る20時間10分(6/9の午前2時10分)。
脚はボロボロになったけど、やり切った感のあるレースだった。
[区間タイム 当初予想→1:15、実際→1:14]
[合計タイム 当初予想→21:08、実際→20:10]

完走証 下にある絵が標高図(本当にギザギザ)

追記

 大会後はコーラとレモンスカッシュを買って一気飲みし、ゴールする選手を応援したりちょっと用事を済ませながら始発を待つ。
 所沢駅前に24時間営業のサウナ(男性専用)を見つけたので、途中下車して汗を流した(飯能周辺には徒歩で行けて早朝からやっているサウナや銭湯はない)。

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