【毎週ショートショートnote】ネコクインテット

バンド「ネコクインテット」のリーダー猫屋敷(ねこやしき)は、楽器の手入れをしつつ、残り4人のメンバーを待っていた。


最初に来たのは尾出幸次(おでこうじ)だった。
「リーダー早くない?」
「そんなことないよ」


次に来たのは小番(こつがい)だった。
「早っ、もう来てんのかよ」
「遅いぞ、こづかい」
「こつがいだよ」



その次が狩田(かりた)だった。
「どもっす」
「狩田やっほー」


最後は川井いな(かわいいな)だ。
「遅れました」
「いなちゃん遅い~」
「どうしたの、なんかあった?」
「電車、乗りすごした」
「またかよ」
「うっせ、こづかい」
「こつがい! こ・つ・が・い!」
「じゃっ、挨拶から練習しようか」


「猫の額は狭い。でも、俺のおでこは広い! 尾出幸次です」
「猫にこばん! こばんでも俺はこづかいほしい! 小番!」
「猫の手も借りたい。でも僕は借りないで、狩田っす」
「猫可愛がり、川井いな」
「リーダー猫屋敷で、ネコクインテット! よろしくお願いします!」