【毎週ショートショートnote】半タライのウッキーゲーム

「次のゲームは、半タライのウッキーゲームです。ルールを説明しますね。半分に割れたタライが床に散らばってますので、ぴったり割れ目があう半タライ同士をあわせ、タライにしたときに、ウッキーと言えば、ポイントがつきます。では、このゲームは…こづかいさんと川井さんで、お願いします!」
「小番(こつがい)!」
「うっせ、こづかい」
「なんだと!」

まー、まー、喧嘩はダメっすよ。という、狩田の合いの手が入らないので、リーダーである僕が代わりに叱る。

「二人とも、喧嘩はダメっ!」

小番といなちゃんは、はーい、と返事をした。

「狩田、大丈夫?」
「大丈夫じゃないっすね。うれしいけど、恋愛対象としてみられてないの、ツラいっす」

半タライのウッキーゲームは、白熱していた。

「ウッキー! 俺のだ! 横取りすんな!」
「してない。私の。ウッキー」


「やっぱ、いなちゃんは小番のこと好きなのかな…」
「そうかな?」

むしろ、いなちゃんは狩田のことが好きそうだけどな。