【毎週ショートショートnote】デジタル混入島


「計測器がないと、意味ないですね。ってなわけで、アプリに嘘発見器をインストールしました。勝負再開です!」
「もういいでしょ。不毛な争いは、やめよう」
「まずは、私からです!」


理香ちゃんは僕を無視して、林檎ちゃんにむかって、大声で叫ぶ。


「林檎さん、私は親友ですか?」
「親友じゃないね」
「親友になったら、恋人になれますか?」
「理香ちゃん、女の子だから、なれないかな」
「私が男になったら、つきあってくれますか?」
「ごめんね。それもないかな」


しょんぼりした様子で、理香ちゃんは僕を見てくる。
どうやら、僕の番だ。
さっきの戦いは、つづいているのか。
嘘発見器つきで。


「えっと、林檎ちゃんの好きな人って、男の人なんだよね」
「まあな」
「どういうところが好きなの?」
「面白いところ」
「他には?」
「私より背がひくいところかな」
「やったあああ!」


いきなり理香ちゃんが叫んだ。


「私、林檎さんより低いです。まだ望みがある!」


ポジティブすぎないだろうか。