【毎週ショートショートnote】風見鶏ローディー
「その笛があれば、盗まれていた伝書鳩もすぐに帰ってきたんじゃないの?」
「下手に笛を吹いたら、暴れた伝書鳩が怪我をするかもしれないでしょ」
「さすが、ボディビルさん。その通りです」
伝書鳩盗難事件も解決し、首謀者は連行された。
パーティーのつづきを楽しむことになったけど、私がいてもいいのかしら?
恋人と二人きりの方がいいんじゃ?
私の心配も知らずに、尾出幸次さんは伝書鳩パーティーの由来をはなしはじめた。
尾出幸次さんの先祖にあたる人は、渡米していたらしい。
そのときにできた友達というのがローディーというらしく、将来の夢を語りあった仲だったそうだ。
そのローディーさんは風見鶏職人になるのが嫌で、家出したらしい。
その数年後、先祖は伝書鳩パーティーを日本で開いたそうだ。
「先祖の夢は伝書鳩を日本でいっぱい飛ばすことだったそうです」
「ローディーさんの夢はなんだったの?」
尾出幸次はお菓子の箱をみせた。
箱には風見鶏のマークがつけられていた。