12年付き合った彼氏と別れた話③
「ダイがタバコ吸ってるの、知ってる?」
中学時代からの友人とダイくんと3人でご飯を食べに行った時に突然友人に言われました。
私はダイくんがタバコを吸っている事を知りませんでした。ダイくんを見ると、私に話していない事なのであからさまに動揺しているのが分かりました。
「聞いてないけど、社会人になったし、まあそういうのもあるよね。」
タバコを吸う事に対しては特に嫌悪感も無かったので、まぁ社会人になればそりゃ上の人との付き合いで吸うくらいあるよねと。
「違う。大学1年の頃から吸ってるよ、コイツ」
友人は少し怒っているような感じでした。
私は、理解出来なくてただ固まってしまいました。
ダイくんがタバコを吸っている所は見た事がない。タバコの匂いなんて本人からも所有物からも感じた事がない。
そもそもこの話が出る前から私も興味本位でタバコを吸ってみたいな、どんな味なのかなという話をダイくんにした事があった。その時は『俺は吸ったことないから分からない』と言われた。何故その時に話してくれなかったんだろう…
色々考えましたが
「恋人に4年間隠し事をしていた彼氏」と
「全く気付いていなかった残念な彼女」
という事実だけが目の前にあり、ダイくんにも、自分にも失望しました。
何を言えばいいかその場では言葉がまとまらなかったので、ダイくんとは何も話さずそれぞれ家に帰りました。
家に帰ると、友人から電話がかかってきました。
「気分を悪くさせてごめん。
実はずっと前からタバコの事を隠してるのは知ってた。だから『隠し事は良くない。いつまゆみに話すんだ』と何回も言ってたんだ。
その度に『次会った時に言うよ』と言うだけだった。だから今日ダイがまゆみに打ち明けられるよう、タバコの話題を振ってみたりしたんだけど(確かにその日何回かタバコの話題になった)
ダイは一向に言おうとしなくて。
それ見てたらなんか、こっちがイライラしてきて。お前が言わないなら俺が…って感じで。
絶対傷つくと思ってたのにどうしても我慢出来なかった。あんな風に言っちゃって、本当にごめん」
悲しくて、涙が出ました。
隠し事をされていた事、気付けなかった事、友人の口から言わせてしまった事
何よりその話を友人からしか聞けなかった事がとても悲しかったです。
ダイくんはその日も、次の日も何も連絡はくれませんでした。弁解をする事もなく、自分のした事を認める事もしませんでした。
その時に、やっと自分がどれだけ相手のことを知ろうとしなかったのか、喧嘩も話し合いもない付き合い方がどれだけ愚かな事なのかが分かりました。
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