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茨城2区 ~第一話~

祖父、大崎駒三の死を知ったのは、5日前の6月3日、異様なほど早く始まった梅雨と、大荒れの国会に国民が疲れ始めていた頃だった。祖父の父は太平洋戦争で戦死し、1人残された祖父は、「これからの時代は世界的な関わりが必須になる。地球上の陸地はいくつかの島に分かれているのだから、海運業が発達するに違いない。」という考えで、船舶関係の仕事を始めた。それは数十年後に「大崎海運」として正式に企業となり、日本有数の海運会社となるわけだが、当時の祖父はそんなことは露知らず、実家であった茨城県神栖

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