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【MTG レガシー】 「青黒ダークデプス」の宿題 【初心者、復帰勢に向けて】
1.こんにちは。普段は初心者や復帰勢用に、高額な再録禁止カードを使わない「Doomsday」=「アーボーグ型ドゥームズデイ」の紹介をしている六条屋です。月末に練習会があり、ただいま「アーボーグ型」は調整中……その途中、ふと思い出したことがあったので、今日は趣向を変えて、別のタイプのデッキを紹介させてください。主役はこのお方。
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《エムラクール》と《マリット・レイジ》
どちらも負けじと、お美しい(お目目ぐるぐる)
氷河期のドミナリア北端、「Endless sea」の底で永い眠りについたとされる、謎多い女神「マリット・レイジ」。《暗黒の深部》に置かれた10個の氷カウンターをあらゆる方法で融解させ、彼女を甦らせることを目指すのが各種の「デプス」系コンボデッキです。
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このカードも略称が「DD」で《Doomsday》と同じ
まあ、親戚みたいなもんだと思って
《暗黒の深部》と組み合わせるのは、まず一撃で全ての氷を溶かせる《吸血鬼の呪詛術士》。
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なんとも冒涜的で、背徳的
もしくは、氷の無い《暗黒の深部》のコピーになれる《演劇の舞台》を使います。呪文を一切唱えなくても、土地を並べるだけでコンボ達成を狙えるため、打ち消し呪文に対して高い耐性を誇るのが特徴。
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ラヴクラフト的な魅力あふれたデッキですわね
省スペースなコンボなので他のデッキとハイブリッドしやすいのも魅力。
一般的には、土地のサーチやマナ加速を得意とする緑と、《吸血鬼の呪詛術士》の黒を中心に組まれることが多いデッキです。ただし、今日のリストは異端です。青と黒。
2.再録禁止カードを使わない「青黒ダークデプス」。緑の速さや柔軟性と引き換えに、青を選び、《渦まく知識》や《思案》のキャントリップでパーツを集めていくスタイル。呪文を唱えずにコンボに走れるという特性を活かし、これが採用されています。
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近年の相棒は《サメ台風》
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こんなん、誰でも最初は色物だと思うやん!?
もちろん、青が濃いデッキの特権として《意志の力》4枚を攻防に使えます。ある意味で、それ以上に大きいのが《もみ消し》の存在。
《暗黒の深部》+《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》+《吸血鬼の呪詛術士》、いわゆる「ヘックスメイジ・デプス」を揃えれば、2ターン目という恐ろしい速さで「マリット・レイジ」を呼び覚ませるのがこのデッキ。
しかし《暗黒の深部》というカードには、環境に明確な天敵が存在します。《不毛の大地》。
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効果の解決時、《暗黒の深部》自体を生け贄に捧げる必要があるので、インスタントタイミングで割り込まれて破壊されると、「女神」を戦場に出せません。そこで「デプス」系のデッキは、《不毛の大地》に対抗するための手立てを用意します。
一、《不毛の大地》を自分も搭載し、相手のものをあらかじめ破壊する。
二、《真髄の針》で指名し、効果の起動を封じる。
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三、《もみ消し》で《不毛の大地》の起動型能力を打ち消す。
模範解答はこの辺りでしょうか。中でも《もみ消し》には他の用途が多く、仮に《不毛の大地》を持たないデッキ相手でも充分な活躍が期待できます。
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という贅沢な悩みをもつ打ち消し呪文
土地コンボでありながら青でもあるので、スペル戦にも対応でき、すっきりと2色にまとめられた美しいデッキです。もし今日のデッキを見て、既視感を覚えた方がいたとしたら、博識。凄い。実はこのデッキ、マジック・ザ・ギャザリング、日本公式サイトの名物コーナー、岩SHOWさんの「デイリー・デッキ」で紹介されていたリストに、《もみ消し》を足したような形になっています。ただし、2016年11月の記事で。え、そんな前なん??? 怖……。
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こんなカッコいいデッキがあるのか、と唸らされ、値段を調べて、すぐに「ヒィ」と情けない声をあげさせられた記憶があります。《Underground sea》3枚に《モックス・ダイアモンド》4枚、 サイドボードに搭載された「名前の長い土地」《The Tabernacle at Pendrell Vale》1枚……ここまでは「そういうもの」として納得するしかなくても、キーカードの《暗黒の深部》自体が、当時は1度も再録されておらず、高価だったのですよね。《世界のるつぼ》などの脇を固めるカードたちも。
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他よりお高い
白く、まぶしい明るさの雪原と
暗い氷の底に眠る「女神」との対比がオシャレ
3.しかし、なぜ、今になって「青黒ダークデプス」??? もし、今でもこのデッキを愛用している方がいれば申し訳なく思うのですが(そして、ぜひ使用感を聞いてみたい!)、あえて言うと、「青黒ダークデプス」は忘れられた宿題のようなデッキです。念のため、MTG Goldfishでトーナメント、カジュアル問わず、使用実績を遡って検索してみたところ、少なくとも1年ぶんのデータからは類似のデッキを見つけることができませんでした。
理由は、わかる気がします。このデッキは数多の「デプス」系の中では、遅いです。《行き詰まり》も現在の高速環境に合っているとは言いづらく、サイドボードに用意できるカードも緑のほうが強固なものが多いです。
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《意志の力》と違い、アドバンテージを失わない
ビックリ性能だよ
それでも「青黒ダークデプス」には捨てがたい魅力があり、ときどき思い出しては、アプリ上での1人回しで「ああでもない」「こうでもない」と試行錯誤を繰り返していました。実戦投入したくなるレベルまで昇華できないでいるのが歯がゆいところですけどね。
なぜ、今? 簡単です。「ドミナリア・リマスター」で《暗黒の深部》が何度目かの再録を果たしたばかりで、歴史上、もっともお求め易い価格になっているからです。レガシー参入に「デプス」系のデッキを選ぶのなら「今です」と言いたくなったのが、今日の記事を書いた動機の1つ。
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1000円前後になり申した
今回のリストでは《虹色の眺望》を用いることで、基本氷雪土地によって必要なマナを揃える作りにしています。《モックス・ダイアモンド》も《水蓮の花びら》に替えていますが、加速をどれほど必要とするかも含めて、この部分は要検討。
もちろん価格面だけではなく、6年経った今、意外と戦えるのではないかと思えるようになってきました。たとえば、対「イニシアチブ」。
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《魂の洞窟》経由で打ち消し呪文を無視して戦場に現れる、イニシアチブ持ちのクリーチャーたちも、《もみ消し》を当てれば、ほぼ無力。生ける《剣を鍬に》=《孤独》の効果を打ち消して、「マリット・レイジ」を守れるのも吉。
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《もみ消し》+《意志の力》パッケージは「イニシアチブ」を狩るために跋扈する、別の高速コンボたちにも刺さりやすいです。不用意な「フェッチランド」起動も咎められるので、フル投入された《不毛の大地》と合わせれば、こちらから土地基盤を攻め、無理やり隙をこじ開けてコンボを決めることも。
《悪意の大梟》やクリーチャー除去などを搭載し、よりコントロール寄りの調整もできないかと考えています。
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この記事は、自分と同じような初心者、復帰勢の方を、レガシーの世界へ誘うために書いています。純スペルコンボである「Doomsday」とは別タイプのデッキとして、ぜひ1度「青黒ダークデプス」も紹介しておきたいと思っていました。
「デプス」には、熱心な信仰を「マリット・レイジ」に捧げた熟達の使い手が多いイメージがあり、門外漢が勝手なことを言うのは畏れ多いし、おっかないことだと思いつつ。
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すぐカエルになって黙りますから……
基本のパワーとタフネスが1/1の青のカエルになる。
もちろん「青黒」でなくても、大丈夫。たとえば「レインボーデプス」と呼ばれるタイプは5色を出せる土地を中心に運用することで、緑のサーチや加速と、青の《もみ消し》《狼狽の嵐》などを両立させた、「再録禁止カードを使わない」デッキです。興味がある方はぜひ調べてみてください。
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よりお求め易く、美しく
オススメは、充分な実績もある「レインボーデプス」。「青黒」は……白状すると、夢です。なかなか自分で満足いく形にできない代わりに、プレーンな姿を叩き台として紹介することで、別の誰かが思い出して、完成させてくれないかという。深化させるパーツを見つければ、自分でも試してみるつもりですが、ほとんど手つかずのブルーオーシャンだと思っています。
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ブルーオーシャンのイメージに使うには
イラストが不気味すぎたンだ
でも、そこがイイ
オリジナルのデッキでレガシー環境に挑みたいという方は、ぜひ頭の片隅に「青黒ダークデプス」を。そして、代わりに6年越しの宿題を解いて、いつか工夫を教えてくださると、飛び上がって喜びます。
4.美しいデッキは、例外なく強いのか? 正直なところ、それはわかりません。ただ、長い時の向こうに忘れられるのは勿体ないデッキだと思い、日の下へ引っ張り出してみました。凍れる女神「マリット・レイジ」には、青と黒もよく似合う。祈りが足りない素人ながら、僕はそう信じています。それでは、また。
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「コールドスナップ」版が至高かな?
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