見出し画像

11. 委員会と意識高い型/渡り介護士の見る景色

次に介護施設には、委員会という会合が更に存在する。これは、その施設によって委員会の種類、日時、やり方等が本当にバラバラで、細かな事を言えばキリがない。

共通点として会議や社内研修の準備、実行、議事録の作成など物理的に仕事が増える事と、介護士だけではないあらゆる専門職が集まりディスカッションするという所だ。

非常に生産的な素晴らしい委員会もあるのかもしれないが、大体は本質的なものでなく表面的な改善点を挙げて形だけで終わっているパターンが多い。

この委員会の委員として入社して半年くらい経つと1つ、または複数個割り当てられる。介護士は白目を剥きながら会議に参加する事になる。

委員会ではあらゆる専門職が集まる中で、介護士は人数は多い癖にアウェーだったりする。
なぜなら現場ではちゃんとやるべき仕事をやっているという体で話が進んでいくからだ。

またこういった会議では、作業が増える事はあっても減る事はほとんどないので介護士にとっていいものではない。
だから介護士は、ほぼしゃべらない。

よくあるのが専門職の〝意識高い型〟から「あれはどうなってるの?」と問題提起が来る。介護士が「忙しくて、あまり出来ていない。」となると「ちゃんとやらないと。」となって「チェック表などを作成して、やった人が責任持ってサインするようにしよう。」となる。

しかしこの会議で話が出るまでやらなくても問題なく去っていた仕事、そもそもやらなかったではなくやれなかった仕事。
現場ではやってもやらなくてもとりあえず「サインをしっかりする。」という新たな仕事が増えるそしてサインがいっぱいになったら新しい表を印刷、貼り付けるのは介護士の仕事なのである。

このチェック表を提案した意識高い型は満足である、表のサインが埋まり毎日ちゃんと仕事がされていると。これら意識高い型は組織の透明化、作業の見える化みたいな事をしがちである。

もし本当に完全透明化したら、過剰な仕事量が可視化され困るのはオーナーや施設側かもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?