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大哺乳類展3 動物たちの大行進
衝動的に有給休暇を申請し、国立科学博物館で開催中の「大哺乳類展3」に行ってきた。
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「わけてつなげて」の通り、今回の展示は「分類」に焦点を当てている。
現在のところ、哺乳類は6500種あまりが知られているそうだ。
これまでの分類学は、姿かたちや骨格、内臓のつくりなどで分類するのが主流だったが、近年はDNA解析を用いた分子系統学が発展している。
その結果、実は近縁の種だったことが分かった動物たちや、
姿かたちは似ているけど分類上はだいぶ離れていることが分かった動物たちがいたりと、新しい事が次々と明らかになってきているそうだ。今回の展示のトピックの一つでもある。
研究者たちが長い時間をかけて集め、研究し、分類してきた膨大な数の標本。展示してあるのはほんの一部だが、分類上重要なポイントが分かりやすく展示されていた。
一番の見どころはなんといってもこちらの大行進!
多種多様な哺乳類の剝製たちがずらりと並べられている。似た種は近くに集められている。
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上を見上げれば巨大なクジラが。
クジラの骨格標本は圧巻。
彼らの祖先はパキケトゥスという陸生生物だった。現生する陸生生物ではカバ科がクジラの近縁とされている。
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帰りがけに購入した、この展示の監修をされている田島木綿子博士の本によると、被毛のある哺乳類は剝製を作りやすいそうだが、イルカやクジラ、ジュゴンなどの被毛を持たない動物を剝製にすることは極めて難しいそう。今回の展示もクジラは骨格標本、シャチやイルカは模型だった。
一際目立っていたホッキョクグマ&ヒグマ。立ち上がると想像以上に大きい。
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別エリアにも剝製が。
こちらは有袋類コーナー。今にもこちらに向かって歩いてきそうなウォンバット。
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アフリカゾウのお尻。アジアゾウに比べるとだいぶ体が大きい。
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大行進だけでなく、大きさの違う動物の心臓の大きさや拍動回数を比較した展示や、複胃を持つ動物たちの胃が比較展示されていたりと内臓の展示も面白かった。
最後の最後、「エピローグ」のところにポツンといたのがこのブチハイエナ。
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ライオンなどの大型ネコ科やゾウ、クジラなどの人気のある動物と比べると地味な存在。
ハイエナといえば思い出すことがある。
何年も前だが、劇団四季のミュージカル「ライオンキング」を観に行った。
舞台美術や衣装、俳優の皆さんの演技力の素晴らしさには感動したのだが、なんとなく後味が悪かったのはハイエナのキャラクター設定にモヤモヤしたからだった。
「くさくて汚くて、死体を貪る陰気な動物」みたいな設定だった(あくまでも私が受けた印象です。ライオンキングを非難しているわけではありません)。
確かに彼らは死体の腐った肉も食べるし、強靭な顎で骨を噛み砕くことができる。
(ちなみにハイエナは何種類かいるそうだが、特にこのブチハイエナは狩りで食べ物を得ることも多いそうだ。)
だが、ちょっと視点を変えてみると、
腐肉を食べるということは、サバンナの掃除屋(スカベンジャー)ともいえる。
ハイエナだけでなく他の多くの哺乳類や鳥類たち、かの嫌われ者の黒い昆虫やその他多くの小さな生き物たち、もっと小さな微生物たちは生き物の死体や枯れた植物などの有機物を食べる。彼らの存在によって地球は有機物で溢れかえることなく、自然の物質循環が保たれている。
「くさい」についても、野生の動物は何かしらのにおいがするのは当然だと思う。
結局のところ、全部人間の勝手な設定だ。それに分かりやすい悪者がいないと物語を作るのは難しいだろう。でも人間の偏見や決めつけは、当のハイエナや主人公のライオン、その他出演動物たちには何の関係もない。
地球上の生き物は皆それぞれの生き方でそれぞれの一生を生き抜くのだ。
展示の終わりのところでカラフルな図録と、この展示の監修をされている田島木綿子博士の著書を購入した。
写真には撮っていないが、かわいらしいネコのイラストのクリアファイルも購入した(購入しないではいられなかった)。
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せっかくなので、常設展も見学。
大哺乳類展の流れで、動物たちの展示を中心に回った。
こちらはアンモナイトの化石。約9000万年前のもの。
世界最大の種で、「パキデスモセラス・パキディスコイデ」という。
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常設展にも剝製がずらりと並んでいる展示室がある。
以前、本で読んで気になっていたワタリガラス。よく見かけるハシブトカラスよりだいぶ大きい。
その名の通り渡りをするカラスで、北海道で見ることができるそうだ。
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左からヒグマ、ハイイロオオカミ、ジャガー
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フクロウが指(羽?)差しているのが、絶滅したニホンオオカミ。剝製は世界中でほんの数体しか残っていないとのこと。
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小さな小さなウシの仲間、アオダイカー。ネコより少し大きいくらい。この大きさで成獣だそう。
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かはくボランティアの方が所々にいらっしゃり、来場者に声をかけてくださる。私もニホンオオカミやアオダイカーの剝製のところで説明をしていただいた。
マッコウクジラの半身模型付全身骨格標本。見えていない方は骨格標本になっている。
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体長の1/3を巨大な頭部が占める。
田島木綿子博士の本によると、こういったクジラなどの海の哺乳類の標本は基本的に、海岸に打ち上がる個体(ストランディング個体)で標本を作るのが世界基準だそう。
海の動物がストランド(strand: 岸に打ち上がる、座礁する)し、自力で海に戻れなくなることがある。もし生きていれば人間も力を貸してなんとか海に戻れる場合もあるが、急激に弱り、死んでしまう場合も多い。また、すでに死んでしまった個体が岸に打ち上げられることもある。そのような動物たちを標本にするそうだ。
「オニフスベ」というキノコ。「風の谷のナウシカ」に出てくる腐海の森でシューと胞子を吹き出していそうな見た目だが、元々はもっと白いキノコらしい。
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展示を見終わって外へ。
6時間くらい見て回ったのでだいぶ疲れたが、久しぶりの国立科学博物館はワクワクして十分楽しめた。
最後に。
国立科学博物館といえばこのシロナガスクジラ。
体長約30m、体重約150t(推定)。
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上野公園は新緑がきれいだった。
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上野駅のらぽっぽファームでしっかりおやつを購入して帰宅。
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