融資のセールス

春から信用金庫に就職する人もいると思うので、私が入庫後、とてもカルチャー・ショックを受けた融資のセールスについて語りたいと思います。

そもそも、私は就職先を選ぶ際、特にやりたい事はありませんでした。
地元の県に残って、それなりに長く勤められそうな大き目の会社に入れれば良いやなーんて程度。

結構、そんな理由で信金に入る人は多いのではないかな。志望動機でよく、地域貢献なんて言うけれども、学生の段階でそこまで地域を愛せる人はなかなかいないと思うのよね。

さて、そんなこんなで私もなんとか入社試験を経て、十数年前にピカピカのルーキーとして、支店に配属されたわけです。

今とは違い、まだ貸出利回りも高く、人も多くて何となくのんびりした感じ。夏なんかは支店長が3時過ぎに職員全員にアイス買って来てくれて、仲良く食べたりなんかして。

ーーーほんと、今とは大違い。楽しかったなぁ。ーーー

さて、そんなルーキーも内勤で3年間、預金や融資を経て、営業として地区を担当することに。

当時はまだ集金もたくさんあって、個人のお宅へ訪問して、積立集金することが営業の主な仕事。訪問時にセールスする感じ。

ーーー今は、セールスするために訪問するという、セールス純度高めだから、ルーキーには厳しい時代ですよねぇ。ーーー

ただ、そんな牧歌的な時代でも、ノルマは当然あるわけでして。

クレカやカードローン、年金、公共料金等などに加えて、当然融資もノルマ項目にあるのです。

当時ルーキーのロッチは「融資をセールスする」という意味が本当に分かりませんでした。

先輩や上司に聞いてみても、「必要なお金を使って貰うんだ」とばかり。

???必要になったら相談するのでは???

ノルマにされても、お客様が必要なタイミングじゃなければそもそも相談されないじゃん???

本当に分かりませんでした。

そのうち、営業会議や、支店会議などに出席するうち、融資未達=貸出利息減少=業績の悪化の図式が分かってきて。

なるほど!と。お客様の設備投資や増加運転資金などの実需に、自己資金ではなく借入で相談を貰えるように、または他行に取られないよう常にアンテナを張れば良いんだな!

これが第一段階。

次の段階が、そんな正攻法では当然ノルマ未達になるので、、、お願いセールス。必要ない金も借りて貰う。

第二段階。

以降は、プロジェクト融資や、資産家への相続対策、事業性評価に基づくリファイナンスや、BS長短バランス是正など少しずつ高度なセールスへ、、、。

ただ、やっぱり第一段階のところが腑に落ちるのに時間掛かりましたね。

融資を売るっていう感覚。

春の人事異動で初めて営業に出る信金マン!
諸先輩も皆、???な感じで融資セールス開始したから、心配しないで!

良く分かんなくても、とりあえずノルマ(目標)埋めてね!

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