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久しぶりの化粧品カウンターへ

三ヶ月ぶりに電車に乗った。
通勤ラッシュより遅い10時台の電車ですんなり座れた。
手すりにかけた傘がカタカタ揺れている。

前はあんなに嫌だった電車も、今日はゆったり旅行気分だ。
周りの方が早く時間が流れて、自分だけがゆっくりしているような不思議な感覚だ。

向かった先は、百貨店の化粧品売り場だ。
美しく輝くダイヤモンドのような化粧品にハッとした。
そしてきらびやかなカウンターで微笑む後輩が私に目を向ける。

一年前までは、私も毎日ここに立ってお客様に微笑みを向けていたっけ。
今じゃあ、子育て中の主婦だから、たまにしか買いに来れない憧れのブランドだ。
退職しても敬語でもてなしてくれる後輩ちゃん。
久々の対面で話も盛り上がる。
化粧品も素晴らしいけど、あなたに会いたいから今日来たんだよと思う私。
すっかりお客様である。
退職する前は、毎日が実績やお客様対応に追われ、家に帰れば家事育児に追われ疲弊していた。
あの頃の自分は、こんな仕事、、、と思っていたけど、そんな場所が今ではとても輝いて見えるのは何故だろう。

でもこれが私が16年在籍していた場所なんだと思うと、誇らしくなる。