第6回 情報リテラシー論 「キュレーション、情報の整理」
1.「キュレーション」について
今回の授業では、情報が溢れ返った現代において、「キュレーション」というものがどれほど重要であるかということを学びました。
「キュレーション」とは、簡単に言うと、「情報の整理」です。
必要な情報を収集したあと、分類、編集をして、それらを共有することであり、ただ情報を収集することではありません。
また、「キュレーション」という言葉は、これからの日本に必要なである事として、AbemaTVなどでも活躍されている佐々木俊尚氏が世に広めました。
キュレーションの例として、美術館、通販生活(カタログ)、セレクトショップ、コンピレーションアルバムなどがあります。
2.キュレーションの例「本のソムリエ」
授業の冒頭の動画鑑賞では、本屋においてのキュレーターである「本のソムリエ」から、キュレーションの大切さを学びました【東京都江戸川区の(本のすすめ)さん】。「本のソムリエ」とは、お客の悩みに対して、それに関連しそうなカテゴリを選別し、さらにそこから細かく焦点を当てたところで個人に合った本を選びお客に勧める仕事をする人です。社会生活においての悩みを解決したいが、どのような本が自分に適しているのかわからない場合、お客が自らカテゴリやキーワードから本を選ぼうとしても難しいです。そこで、多くの情報から必要な情報を選び提供できる「キュレーター」という存在がいると、とてもスムーズにお客の悩みを解決することが出来ます。
3.インターネットにおいてのキュレーション
キュレーションというものは、現実世界だけではなく、インターネットにおいても活用されています。Facebookを始め、TwitterやInstagram、YouTubeなどのSNSにおいてもキュレーションの仕組みが取り入れられています。
①ハイライト
Facebookにおいてみられるこのキュレーションは、個人ページの上位15位、Facebookページの上位100位を表示する機能であり、Facebook側によって自動的に抽出されます。
②最新記事
同じくFacebookにみられるキュレーションの機能であり、一日を限度に投稿の新しい順から遡って見ることが出来ます。最新の記事を抽出する機能はほかのSNSにおいてもみられます。
③エッジランク
Facebookから始まり、現在ではTwitterやInstagramにおいても取り入れられている機能で「エッジランク」というものがあります。これは「いいね!」が押さずにスルーが繰り返される投稿元を自然消滅させる仕組みです。
4.ネットニュースにおいてのキュレーション
ニュースとは、身の回りで起きているあらゆる出来事のことをいい、不特定多数の人々とコミュニケーションを取れるネットにおいては、様々な方法でニュースが投稿できたり見れるようになっています。
GoogleとYahoo!の違い
GoogleニュースとYahoo!ニュースにおいては、キュレーションの仕組みで大きく違う点が一つあります。それは、「GoogleはAIが、Yahooは人がキュレーションを行っている」という点です。GoogleニュースではAIによって、自動的にいろいろなニュースサイトから記事が抽出されています。Yahoo!ニュースでは、人の手によって抽出された記事に、全角15.5文字で人の手によってタイトルがつけられています。
5.ニュースアプリ
スマートフォンが普及したことによってニュースのキュレーションアプリが利用されるようになってきました。主に有名なものがスマートニュース、グノシー、News Digestです。
①スマートニュース、グノシー
「スマートニュース」は、クーポンのサービスを取り入れたことにより高いシェア率を獲得したといわれて、グノシーにもクーポンのサービスが取り入れられていますが、以前「グノシー」はライブやラジオといったメディア寄りのサービスが多めでした。
②News Digest
「News Digest」は、アプリ内の地図を開くと、それぞれの地域で、現在起きている出来事が分かるようになっています。そういったニュースの投稿はアプリの利用者も出来るようになっており、それらをポイントで買い取ってもらうサービスなどもあります。
スマートフォンの普及により、情報を誰でも発信出来るようになったことで、今までにない形のニュースの発信方法が生まれてきていて、面白さを感じました。
6.ブログ・SNSの投稿を基準にしたサービス
①はてなブックマーク
SNSやブログで投稿されている記事の中でブックマークが多いものをピックアップするサービスです。
②NewsPicks
利用者が興味のあるニュースをピックアップして、そのニュースにコメントをすることができ、より多くの人にピックアップされた記事が上位に表示されるような仕組みになっています。また、興味のあるコメントをした人を追いかけて、その人がコメントをした記事を観ることも出来るようになっています。
③Yahoo!リアルタイム検索
Twitterなどにおいて話題になっているニュース記事を取り上げるサービスです。Googleも同じようなリアルタイム検索のサービスを提供していましたが、2011年にTwitterとの提携が切れたことをきっかけに終了してしまいました。
④パーソナライズされた本格的なキュレーション
「Apple」や「Google Discover」、「LINE NEWS」など、自分が日ごろ観ているSNSやブログ記事に関連した内容の記事がピックアップされるサービスが出てきており、ネットにおけるキュレーションも精度が上がっていく可能性を感じます。
7.SNSにおける投稿の並べ方
今や、SNSは全世界で人気を博しており、人々が常時たくさんの投稿をするために、情報量の過多が目立ちます。そういった大量の情報を処理するため、それぞれのSNSにおいて様々なキュレーションによる処理がなされています。
①Twitter 時系列順⇒アルゴリズム順
以前は、時系列順に並んでいましたが、現在は、投稿数が多くなったため、その処理を効率化させるためにアルゴリズム順に並んでいます。
②Instagram 親密度順
Instagramにおいて、左上のロゴマークを押した際に出てくる「フォロー中」を押すと、フォローしたものが時系列順で並べられ、広告もないため、非常に見やすです。
③TikTok 万人受け順
Tiktokの最初の画面において「フォロー中」と「おすすめ」で分けて、投稿を眺めることが出来るわけですが、99%の人が「おすすめ」側を観ているといわれています。
その「おすすめ」においては、スライド式に眺められる投稿の中で、継続的に視聴されて「いいね!」がより多く押された投稿が上位に来るような仕組みになっています。
8.キュレーションによるネットのサービス一覧
ハフポスト
BLOGOS(2022年5月終了)
Twitterまとめサイト、「Togetter」
Twitterの公式まとめ「モーメント」
Instagramの公式まとめサービス
2チャンネルまとめサイト
SNSのまとめサイト「NAVERまとめ」(2020年9月終了)
WELQ(2016年11月29日以降全非公開)
女性向けメディア利用者数No.1「MERY」
商品比較メディア「mybest」
AIライターによる自動まとめ記事「Retty」
など、様々なキュレーションサービスが存在します。「mybest」においては、家電や生活用品などについてのあらゆるキーワード検索結果において、上位に表示されるほどの人気です。また、AIのみによって飲食店などについて自動生成でまとめてあるサイトの「Retty」は、SEO対策にも優れておりGoogleにも評価されやすく、人件費もかからないため、サイトとしての寿命が長いです。
そのような中で、キュレーションサービスには様々な問題もあります。
こたつ記事
「WELQ」において問題になったこととして、こたつ記事があります。こたつ記事とは、広告収益を目的として、他人の記事をコピーペーストして悪用したり、著作権を無視して違法コンテンツを使用したりなど、こたつでできてしまうような内容の記事のことです。「WELQ」は、SEO対策を行っている記者を集めて検索エンジンにおいて上位表示される方法によって投稿がなされたことで、噓の内容の記事の表示結果が一位になったりと、検索エンジンのアルゴリズムを破綻させたため、のちに全記事が非公開になっています。また、この事件から、他のまとめサイトについても、問題点が見られるようになったことから、続々とキュレーションサイトが非公開になったり、終了したりしています。
9.最後に
キュレーションは、情報過多な現代において必要な事ではありますが、自分の利益を求めて、他人の提供する情報を悪用するようになるのは良くないことだと感じました。
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