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第9回 情報リテラシー論         「動画メディアとテレビについて」

今回は、授業の冒頭で、ピコ太郎の「PPAP」の動画から、YouTubeの広告収益や著作権の保護の仕組みについて学びました。

このYouTubeのようなインターネットにおける動画サービスの発展により、日本においては2018年デジタルの利用時間がテレビの利用時間を追い抜き始めました。

今回は、こういった動画メディアテレビについて、説明していきたいと思います。

1.2011年7月のテレビの地上デジタル化

2011年7月24日(岩手県・宮城県・福島県は2012年3月31日)日本のテレビにおいて、地上アナログ放送が終了し、地上デジタル放送へ完全移行になりました。この地上デジタル放送移行により、テレビがインターネットと繋がり番組表をテレビで見れたり、dボタン機能が付いたりと様々なことがテレビで出来るようになりました。

2.テレビと映画の違い

テレビ映画の違いの一つに画面の大きさというものがあると考えられます。
視聴時間の長い順に、映画⇒テレビ⇒パソコン⇒携帯端末
とされており、画面が大きいほど視聴時間が長いと考えられています。

しかし、ほかにも違いがあると考えられます。それは、「映画は反射光を見て、テレビは直射光を見ている」という部分にあると考えられます。我々人間が日ごろ見ているあらゆるモノは、光が反射することによって目に入るモノが見えているため、映画の見える仕組みと似通っています。したがって、我々はテレビよりも映画のほうが入り込みやすい傾向にあり、視聴時間も長くなってしまうのではないかと考えられます。

3.テレビのインターネット配信

2011年東日本大震災

2011年の東日本大震災が発生した際、多くの家でテレビが壊れ、情報を得る手段が途絶えてしまう問題が発生しました。その際、広島県の当時中学生の方が、困っている人々のためにNHKのニュース映像を無断でUstream上にライブ配信するということを行いました。本来ならば適切な処分を受けていたところでしたが、その中学生の行為により多くの人々が救われたという状態であったため、NHKはこの問題を黙認しました。この問題から学んだ各テレビ局は、震災の後、自らUstream上に動画をアップロードするという事を始めました。これが、現在のサイマル放送に繋がります。

見逃し配信「TVer」

震災後の経験から、「テレビ番組をインターネットで観たい」というような人々の気持ちも多かったこともあってか、2015年10月下旬民放5社においてテレビ番組の見逃し配信が開始されました。また、2022年4月から、ゴールデンタイムのほぼすべてのテレビ番組を視聴可能になりました。

「TVer」の広告収入の仕組み

TVer広告を見ないと番組を視聴できない仕組みになっています。そのため、視聴者も広告を最初から最後まで視聴している可能性が高いことから、TVerに多くの広告を出すスポンサーが増えてきています。

NHKプラス

受信契約がなくとも不完全な形で視聴可能なNHKプラスですが、NHKには契約受信料に関する問題があるため、ご自身の契約状況と照らし合わせて慎重に利用する必要があると考えます。

4.VOD(ビデオオンデマンド)

Amazonプライム、AbemaTV  

Amazonは、利益の浪費を防ぐため、敢えて赤字を出して経営を維持させています。その方法を真似しようとしているのがAbemaTVです。
また、Amazonプライムは、VOD市場において一強状態にある一方で、YouTubeはこういった市場においてはまだ弱い立場にあるようです。

5.YouTubeについて

YouTube=You(あなた)Tube(テレビ)=あなたのテレビ

YouTubeとは、「あなたのテレビ」という意味を持ち、「あなただけのテレビ局を作りましょう。」というメッセージが込められています。

Flash⇒YouTubeの歴史

1996年ホームページで動画の再生を可能にするFlashというファイルフォーマットが誕生しましたが、2007年に発売されたiPhoneには対応しておらず、次第にYouTubeの利用が増加していきます。

2006年上旬、ブログ等への簡単貼り付け可能に(API公開)

2006年上旬に、YouTubeのHTMLをコピーしてブログ等に貼り付けることを簡単にできるようなりました。これにより、ブログ等からYouTubeに辿り着く人が増え、次第に人々がYouTubeを知るようになったことで、YouTubeは有名になっていきました。

2006年10月9日、GoogleがYouTubeを約16億ドルで買収

YouTubeが設立される約1カ月前に、Googleビデオという動画サービスが誕生しましたが、YouTubeの成長が凄まじかったことに目を付けたGoogleは、YouTubeを買収することにしました。

2012年9月頃、通勤・通学時のYouTube視聴が増えた

ガラケー時代は、通勤・通学時ワンセグというサービスで携帯端末からテレビを視聴していましたが、2012年頃、スマートフォンでのテレビ視聴は難しかったため、スマートフォン利用者通勤・通学時YouTubeを視聴するようになります。それから次第にスマホが普及するにつれてYouTubeの視聴率も増えていきました

YouTube広告収益の仕組み

広告料−支払う広告収入=Googleの利益
【YouTubeの収入受け取り条件】
チャンネル登録者数1000人以上
年間視聴時間4000時間以上

広告収入を目的とした過激な動画

YouTubeが収益化すると、広告収入や登録者数を目的として、犯罪や迷惑行為等の過激な動画が出てくるようになります。しかし、そういった問題を起こした人々のほとんどは、身元を特定されしっかりと処分を受けています。何故特定することが出来るかというと、YouTubeの広告収入のための振込口座を登録している時点で、身元が判明するからです。

コンテンツIDの導入

過激な動画のほかに、広告収入を目的として、著作権を侵害した動画なども流出してくるようになります。その対策として、コンテンツIDというシステムが誕生し、これによりYouTubeが健全に維持されるようになったことで、クリエイティブな動画コンテンツが豊富になってきたわけであります。

最も再生されている日本のYouTube動画

日本のYouTube動画で最も視聴されている動画は、「Strawberry Picking イチゴ狩り #102, Ibuki 1」という動画で、2022年11月時点で、約8.9億回再生されています。この動画は、日常的なホームビデオではあるのですが、シナリオがないことにより、予測不能な面白い事象が数々起こります。さらには、非言語でも通じる動画内容であるため、海外においても再生されたことにより、多くの視聴回数に繋がったのではないかと考えられます。

日本人の人気YouTuber

登録者数の多い日本の人気YouTuberとして、「HIKAKIN」「はじめしゃちょー」などがいるのですが、TikTok発のYouTuberの中で「HIKAKIN」や「はじめしゃちょー」の登録者数を追い抜いてしまっている日本人のYouTuberもいます。
これは、TikTokの仕組みに原因があると考えられます。YouTubeは登録しているチャンネル以外の動画は、なかなか見つけられないのに対して、TikTokでは「おすすめ」が出てくる仕組みにより、登録しているアカウント以外の動画も見つけることが出来る可能性が高く、短い動画を観てもらい、そこからYouTubeに誘導させるという方法でYouTubeの登録者を増やしているのではないかと考えられています。

YouTubeで人気のジャンル

YouTubeにおいて、報道・ワイドショー、バラエティー、教育・情報といったジャンルがファンを呼びやすく、これはテレビで人気だったジャンルを取り入れていることで、成り立っています。
しかし、YouTubeでは人気である一方で、テレビでは人気のないジャンル「ゲーム実況」などもあります。近年、こういった要素を、逆にテレビが取り入れるようにもなってきています。

投げ銭の世界ランキング上位のほとんどがVTuber 

YouTubeにおける投げ銭の世界ランキングで、VTuber上位に多く上り詰めています。芸術やスポーツなど多くの稼ぎ方がある中で、こういう稼ぎ方もあるのだという事が分かると思います。

テレビ同様の機能の導入

YouTubeにおいて、視聴者維持率等を確認する「アナリィティクス」や、人の顔や背景を自動追尾して隠してくれる「ぼかし機能」公開時間を指定して録画を再生する「プレミア公開」など、テレビでも見られたような多くの機能やサービスをYouTubeでも取り入れるようになってきています。

YouTubeの課題

YouTube年々規制が厳しくなっており、表現の自由が次第に失われつつあるように感じられます。表現の幅としては、テレビに近づいて行っているようにも感じるので、健全にはなるのですが、利用者の減少も懸念されるため、難しい問題であると感じました。

6.最後に

動画メディアの誕生によりテレビの利用が減ってきているようにも感じますが、テレビがインターネットと共存しながら時代に沿った形で生き残ってくれる未来を望んでいます。

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