両親と本幹に行ってきました
両親が「たまには一緒にお好み焼きを食べてから、本幹にいこうよ」というので行ってきた。
本部幹部会(略して本幹)とは、創価学会の偉い人達が集まって日々の活動報告とか体験発表とかする大きな会合の衛星中継で、学会員は月に一回地元の会館に集まって見るのです。
この記事にも書いたけど「別にもう信仰はないけど、残り少ない家族と過ごす時間として考えれば、付き合ってあげてもいいか」と思ったし、両親が死ぬまで幽霊学会員でいる覚悟ができてきたので、「今の私が本幹を見たらどういうふうに感じるのかな?」というのも体験してみたかったんだよね。
両親の話によると、コロナ禍中もこういった本部幹部会の上映会はやっていたのだが、チケットを減らして密を作らないようにコントロールしていたらしい(創価ネットを使ってオンラインで見られる)。最近はコロナが5類に移行し、発行されるチケットの枚数が増えたので、私も誘ったそう。
ちなみに参加するのにお布施やチケット代は一切掛からない。
三密対策のため、会館の講堂に等間隔に並べられた椅子に座って上映を見たけれど、御本尊に題目三唱するのが久々すぎて、嫌というわけではないけれど、なんか不思議な感覚だった。
今月のプログラムはこんな感じ。
上映時間は一時間。
メモを取りながら聞いていたわけではないので、私の勘違いなどもあるかも。
・未来部歌を少年少女合唱団が歌う
・学生部の代表の紹介VTRと体験発表(4人くらい)
・池田主任副会長(大作氏の長男)による池田大作先生からのメッセージと御揮毫の披露
・鼓笛隊の演奏
・コートジボワールの創価学会の理事長ピエール氏(話を聞く限り、働き盛りの男性という感じ。元クリスチャン。フランス語のスピーチが日本語通訳されていた)の体験発表
・原田会長指導
・池田大作名誉会長の過去のスピーチの映像の上映。今回は2005年の映像が10分ほどの抜粋で流された。
・学会歌をマスク着用で歌いましょう!
私は最近の創価学会の時流がまったくわかっていないんだけれど(両親もそういうの詳しく解説してくれるような人たちじゃないし)、今回は未来部学生部総会ということで、未成年や学生の信者を中心とした会合になっていた。座談会も未来部を中心としたものにするキャンペーン中らしい。私としては、学会員の普通のおじさんおばさんの素朴な信仰体験が一番面白いと思っているので、今月の本幹はあまりテンション上がらなかったな。
でも創価学会の高齢化を考えると、孫世代を中心にしたほうがぐっとくるという会員は多いのかも。
学生部の代表が4人くらい前に出て体験発表してたんだけど、みんなスマホに書いた原稿を読み上げていたのにはびっくりした。
手元のスマホ見てるのはそのときだけで、他の登壇者はみんな紙の原稿を読んでいたので、登壇者が複数横並びで出るときだけそういう運用になってるんだろうな。
VTRのナレーションもそこだけAIを活用していて、新興宗教の中でも特に創価は新しもの好きなのかな〜と感じた。というか、会員の層が厚いし、おそらく高等教育を受けている人の絶対数も多いので、新しいものを活用できるんだろうね。
体験発表している人たちも、剣道の大会で優勝とか、早稲田大学で英語と仏語ペラペラとか、海外の学会で発表してる研究者とか、医学生とか、文武に秀でている学生部が登壇していた。
コートジボワールの理事長の話が一番面白かったな。コートジボワール版人間革命だった。教会は「してはいけないこと」について説くけれど、「なんでもできる」と説く仏法に魅力を感じて入信したとか、コートジボワールの幹部が教団を私物化しようとしたのでみんなで団結して追い払った話とかね。
原田会長も会長指導の中で「みなで『人間革命』『新・人間革命』を読み研鑽を深めましょう」と呼び掛けていたけど、あれはそのまま海外で布教するときのマニュアルにできるんだな(人間革命というのは池田大作氏が聖教新聞で連載していた、自伝的な小説)。
本部幹部会には毎月海外の創価学会メンバーが研修に来ているんだけど、アフリカやラテン系の国の人たちがいると、自分たちの地域名とともに片言で「センセイ!」って叫びながら歌い踊り出します。日本の創価学会もあれを逆輸入して踊ったらいいと思う。
最後に池田先生のスピーチの映像をもう何年ぶりかで見たんだけど、なんだろう……やっぱり彼は「明らかにそれは違うだろう!」ってことは言ってないんだよね。もう信仰をしていない私には「池田先生のお話、素晴らしい」「私に語りかけてくださった」という宗教的陶酔はもはやないんだけれど、かといって「彼の言っていることはくだらないし、間違っている」とも思えなかった。
そこに創価2世のしんどさってあるよなあ……と思ってしまった。教祖に社会性がバリバリあるんよ。
帰り道に独りで歩きながら、池田先生の言っていることで明らかに間違っている、問題のある発言ってなんだろう……と一生懸命考えたんだけど、私には一つしか思い浮かばなかった。「誰か一人でも創価大学に入学すれば、その一族は宿命転換できる」と彼は言っていて、それが2世3世への進路の強要に繋がってきたことだけは大問題だと思う。
(創価大学を目指した時点で全員創大生だ!とも言っていた気がするけど)
あと両親と一緒に本幹に行くにしても、創価学会の話を無理やりしなくて済むので、無宗教の男性と結婚して本当によかったな〜と改めて思った。私はずっと義両親や夫の近況を話していて、両親はそれを聞いてくれていた。
これが学会員の活動家と結婚していたら、夫の話=創価学会の話になっていただろうな。想像するとなかなかしんどいものがあるよ。
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