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日本人は海外グルメに寛容と見せかけて、不寛容:「異国の味」

■概要
料理人/飲食店プロデューサーである著者が、日本における異国料理レストランの変遷について語るエッセイ。

■気になったところ
・日本人ほど積極的に世界の料理を食べたがる民族はいない。一方で、日本人向けにアレンジされていなければ受け入れないという姿勢も見られる。

・各国、現地の味を再現する→日本人のウケが悪いので日本人向けにアレンジするという変遷を辿っている。
例えばバーミヤンも元々は中国料理(=本場の味)を提供していたが、中華料理(=日本人好みに改良)にシフトしていった。
そんな中、ナポリピッツァはイタリア料理が日本に浸透していた、もともと日本人に合う食べ物だった、という土台があり、そのまま受け入れられた。

■感想
・自分は異国グルメ好きを自称していて、この本で言う原理主義(現地の味そのままを好む)だと思っていたけど、実際日本人に合わせて貰っているということに気づけた。
海外で日本料理店を見て偽物っぽいと思っていたが、現地の舌に合わせた結果だと考えると見方が変わる。(実際作っている人が日本人じゃないパターンも多々あるが)

・「ドイツ料理」が取り上げられていることに驚いた。個人的にドイツはどちらかというと料理への熱量がない国だと思っていたので。
著者の推しは、一般的にイメージされるソーセージではなくシュニッツェルやクロプセといった肉料理、マッシュや千切り、パンケーキなど様々な方法で調理されたジャガイモ料理とのこと。
ただ個人的には同じものに対して「結局肉とジャガイモだな…」と思ってしまったので、当たり前だけど人によって見え方は違うのだなぁと感じた。

・著者がインド料理屋を経営しているからか、インド料理の章は最も熱量が多い。
著者は日本のインド料理を①レジェンド店②グローバルスタイル高級店③ネパール人経営のインド・ネパール店④ガチ系点に分類している。特に③は安く日本人向けの味付けで提供する店を指しており、心当たりがある店が非常に多い。
そんな③は邪道だと考える人も多いようだが、自分としては①~④すべて美味しく、バラエティが豊富でただただ有難いなぁと思った。


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