ちょっと大掛かりな歯科矯正の話10
いざ、ここからは術前準備のお話から…!
前回の続き、2月か3月か好きな方で手術の予定を組めると言われた私は、仕事の都合で3月の半ばに決行することに。それまで心置きなく遊んで、悔いなく過ごそうと思っていたのだが……
「じゃあ、2月に自己血してもらうから、この鉄剤を1週間前から飲み始めてね。」
自己血…それは、手術中の出血が予想以上に出ちゃった時に輸血をするのたが、他人の血だといくら綺麗にしていても何かあるかもしれない…だったら、自分の血を貯金?貯血しておいて使った方が、リスクもないしいいじゃん!というものだそうだ。頭の中にはよく吸血鬼が出る漫画で見た事ある輸血パックが思い浮かぶ。術前に2回に分けて、800cc採るらしい。
「それと、自己血の日に入院前のいろんな相談をしておくから、1日空けといてね」
と言われ、いろんな予約が詰め込まれていく。入院して手術して退院するだけ、なんて思っていたが結構前準備が大変なんだな、と学習…。その日は説明で終わり、2回目の自己血の時に家族の人を連れてきてね、と言われたので母にお願いする事にした。母は怯えていた、それを見て私も怯えた。
自己血の前の週、いざ鉄剤を飲み始めた。普段から貧血気味なので、これ飲んだら改善されるかな〜なんて簡単に考えていた。が…
飲んでからちょっとして、胸焼け?のような感じがする…朝ご飯食べすぎたか…?なんて思っていたのだが、段々と吐き気とめまいがするようになってきた。これはもしかして、と思い薬の副作用を調べると、吐き気、めまい…しっかり反応しているじゃないの…。初回だからかもしれない、とその場では諦め、あと2回飲んでも改善しなかったら相談しようと謎の賭けに出る。結果、慣れてきてしまい、そのまま飲み続けてしまったのだか、みんなは合わないと思ったらすぐに相談してほしい。
そして迎える、1回目の自己血の日…タイミング悪く、月行事と被り死ぬかもとおもったが、鉄剤というバフを積んでいた為動けた。いざ、自己血…どんな太い針が来るのかと怯えていたが
「自己血できるか検査するわね」
と、普通に採血をされた。バフは解除され、私はただの私へと成り果ててしまった。そしてその検査を行う間にレントゲンやCTを撮られていく。その後心電図をとり、次に待ち受けていたのは……肺活量テストだった。
「これをね、カポッと咥えてもらって…いいですね!いい感じです!」
全力で褒めてくれるお兄さん先生が、管を持ち口にするだけでめちゃくちゃ持ち上げてくれていた。
「それでですね、合図があったら全力で鼻から息を吸ってもらって、全てを出し切る勢いでふーーーーっっっと吐いてください!!!!隙間から漏れないようにね!!」
レクチャーも、酸欠になられてしまうのではと不安になるくらい全力だった。そこまでレクチャーしてくれたのに、私はなぜかうまく出来なかった。
「あれ、おかしいな…何か肺に大きな病気したことあります?」
「こう、こうやって……すーーーーーーっっっ…ふーーーーーーーっ………って、」
「緊張してるのかな、お腹使う感じで!!そう!!いい感じ……いや、まだ綺麗に(肺の大きさと空気量のグラフ?)出るはず!!!もう一回行ってみましょう!!!!」
「んんん……オッケーと言いたい…けど、もう一回行ってみましょうか!!!ね!!」
何テイクしたかはわからない、本当にわからない。ただ先生の顔が真っ赤になってて、私が下手なせいで一人の命が犠牲になってる事が大変申し訳なかった。
「オッケーです!!これはいいですよ、お疲れ様でした!!!」
最後はめちゃくちゃいい笑顔で部屋を見送って頂いた…先生の体力が戻るまで、次の肺活量テストを受ける人が来ない事を強く願い、私は再び口腔外科へ向かった。
次回……「自己血いけます!でも午後から!!」時刻は10時過ぎ…コメダのモーニング間に合う!と駆け出すオタク、優雅に推しcpと小倉トーストを摂取…そして自己血へ———
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