ちょっと大掛かりな歯科矯正の話6

前回の続き…次回までに、と出された宿題!サインをして持っていき、いざ本格的な治療を開始…!さぁ、心の準備は出来ている!と思ったが、まるでブレワイのように世界は残酷だった…


矯正を始める前に、私は何人かのお友達にリサーチをさせて頂いた。そして、皆が口をそろえていう…「ゴム掛け」「ワイヤー調整」が恐ろしいと…。

どちらも、歯を正しい位置に持っていくために引っ張るものなのだが、ギチギチとしてとても痛いと聞く。そしてワイヤーが唇の裏等にあたって口内炎がすごいとも言っていた。何も知らないまま痛い思いをするのが嫌なので、その2つを調べ、イメージし…いざ!という感じで向かったのだ。

口を開けて、さぁ来いワイヤー…口内炎の薬は買ってある!

「まず、これ来月に器具つけるために歯に隙間作るから。外れないようにしながらこれずっとつけてて」

ぐいっ

奥歯にちっっっっっさなゴムが隙間に入れられる。ゴムは伸ばされ、紐状になったものを隙間に入れられてから手を離される。そうすると、ゴムが広がって隙間が広がるというものらしい。

…いたく、ない…?

「これで出来た隙間に、次来た時にワイヤー通す器具つけるから。飲み込まないようにしてね、飲んでも大丈夫だけど」

あっけなく終わり、ぽかんとすると私。え、これで次の月まで何もない…?もしかして、楽勝…?そんな風に思えていられたのは、この時だけだった…。

帰りの会計の時、お姉さんがこう言った。

「これからが本番だと思うけど、頑張ってください。ご飯は無理しない程度に、やわらかいものを食べてくださいね。」

頑張る…?ゴムを飲み込まないように?そんな、私だってそこまで鈍感じゃないぜって思っていた(察して)。

時は流れ、夕飯時の事である。慣れないことをしたからなのか、奥歯の方がなんとなく違和感。まぁ、ゴムも入ってるしそんなもんやろ…と思う程度だった。口を開けてみると、ちゃんとゴムも入ってる。よしよし。

いつも通り、ご飯を作り…いただきます、と一口目を噛んだ瞬間であった。

我 歯 痛 突 然 感 タヒ……!!!!!!!

本当に何も噛めない、噛んだら頭が弾け飛ぶのでは?という痛さ。口が閉じられず、パクパクとコイキングのように口を開ける。家族が不思議そうな顔でこちらを見ている、やめろ、見せ物じゃねぇ!!!!!と思うも、それを伝える余裕はない。

「痛いの?」と聞かれ、「いたい」と返答しようとした時——上下の奥歯が触れ合った。瞬間に再び襲う痛み。

「——ッ!!」

ってよく見るあの台詞みたいになる。なんだこれ、想像してたよりめちゃくちゃしんどいぞ…。これが来月まで続くのかと思ったら、白目剥いて泡を吹いてしまう。

やわらかいもの…お粥を作らなければ…と歯に刺激を与えないようにゆっくりとキッチンに戻り、お粥を錬成する。全粥にしてみたがそれでも無理で、五分粥…もはや糊のようにドロドロした液体にして、その日は栄養をとった。

みんなにきいていたワイヤー調整やゴムかけの前段階からこんな調子だと…?みんな、凄いことやって来たんだな…尊敬だな…と脳裏に彼らがちらつく。色々ありがとう、おかげで今も頑張れてます。

来月つける器具の為の隙間…一体どれだけぶっとい金属が入るのだろう…こんな痛い思いをするのだから、大層ヤバい奴が入ってくるに違いない…その日を迎えるのを怯えながら、私はまた翌月の診察の日を迎えるのであった…。


次回!おや、昨日まであったゴムの様子が…!?ちゃんと隙間が出来ている!つけられる器具、抜歯をしてきてと渡される封筒…親知らず以来の大きい病院…どうせならと軽率な考えが、再び自分を苦しめる…!

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