ちょっと大掛かりな歯科矯正の話7
前回の続き…隙間を作るために入れられた小さなゴムの存在、少しずつ慣れて来て余裕をかましていたのだが…
あれからひと月が経ち、鏡で確認するとちゃんと隙間が出来ているのが見える程、ちゃんと隙間が開いていた!
ひと月共にした小さなゴムに若干の愛着心を持ち始め、「ふふ、今日もちゃんといるなぁ」なんて思いながら毎日歯磨きをしていたのだが、それも明日で終わり…ついに入ってくるのか、金属…なんて思いながらベッドに入り、翌日…
「あれ、ゴムがない。とれちゃいました?」
えっ!?!?
「昨日の夜まで確かにそこにいたんですけど!」
あ、じゃあ大丈夫か〜とお姉さん。いや、大丈夫ではない、私が。昨日の夜まで確認していたゴムがいない!?枕元に何も落ちてなかったし、もしかして…朝食と共にお腹の中へ…?
なんて落ち込んでいる間に、歯にワイヤーを通すための器具が付けられていた。なんだか歯の軍艦巻きのように、周りに金属が巻かれる。そして歯に接着剤を付けられ、そこにちっさなフックのような金属が一個ずつつけられていった。
いよいよワイヤーか…と、思いきや
「そういえば、舌が大きいよなぁ。まぁ今のところはいいけど、術後収まり悪かったら切っちゃうか」
舌を…切る…?
「あと舌の裏、筋がでかくて動きが悪いのよ。だから抜歯もこの筋も切ってもらって」
「舌の裏の筋…?」
そいつは、舌小帯というものらしい。べー、と舌を上顎を舐めるように上に伸ばすと、下顎と舌が繋がっている筋がある。これが大きいと、舌の動きが制限されるらしく、切ると舌が本来の動きをするらしい。
抜歯もするし、舌の裏も切るんか…ちょっと血の気がひいてしまう。
「両方ともお手紙出しとくから、自分で予約してやって来てもらって。処置後1週間したら、ここで抜糸するからまた連絡して。」
と、言われてその日は終了。かと思いきや、
「次は上の歯にゴム入れとくから、また1ヶ月飲み込まないように気をつけて」
と、新たな相棒を入れられてしまった。また始まるのか、あの壮絶な日々…そこに重なる抜歯と舌…キャパオーバーして何もイメージがつかない…とりあえず今日からまたお粥生活だな、と思う私なのであった…
次回…年内に終わらせたい気持ちが強すぎて「抜歯と舌小帯って同じ日にできますか?」焦る看護師さん!出来るという先生!じゃあ…と承諾する、私!あれ、予想より本数多くない…?
年内に終わらせたい私の壮絶な戦いが、今始まる——
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