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21.つなぎ服を虐待とみなされる不都合

老人施設で働いていると、人権に基づいたいろんな規制がありますね。

ベッドを柵で囲むだとか、体のかきむしりや、点滴を引っこ抜いたりしてしまうとかでミトンを装着させること、おむつを破ったり、便をこねくり回したりしないようにつなぎ服を着せる事、転倒防止で車いすなどから立ち歩かないようにするベルトなどいろんなものがありますが、これらは拘束になるので使用を制限されています。虐待とみなされる行為であり、不適切ケアだと言われます。保健所が監視してます。

ですから限られたスタッフの人数で、すべての患者に危険の無いように拘束をせずに見ていなくてはいけないのです。
患者の中の誰が、いつ危険行為や不潔行為を行っているか、近くに居なければ気づかない事も多いのですが、スタッフがちょっと目を離した隙、ほんの数秒でも起きる時は起きてしまう。
それでも拘束は、緊急でやむを得ない場合に限られており、最終手段でなければいけないのです。

うーん・・・難易度が高い。なかなかの無理ゲーですな。


では、今の自分が将来認知症になった時の事を考えてみた時、
便を手で触ったり、食べようとする行為だけは、絶対に阻止してほしい!!
私につなぎを着せて欲しいです!!

最終手段なんて悠長な事言ってないで、便に触れそうな兆候、仕草があれば絶対に触らない様に、早い段階でつなぎ服にしてくれ~!!触ってからでは遅すぎる!舐めてしまったらと考えただけで死にたくなります。
鬼滅の刃の鱗滝左近次さん並みに保健所に言いたい!!
舐める実績を作ってしまってからでは判断が遅い!!

こういうのって、常日頃から家族に言っておかないとダメですよね。
家族が病院や施設の人に、本人の意向でと伝えたら、つなぎ服にしてくれるのでしょうか?法律優先のガチガチ思考の所では兆候や仕草だけではつなぎ服の使用は致しません!って言われちゃうかも!?
何なら、うんこ触ろうとしてたらつなぎ服着せてくださいという承諾書に拇印でも捺印でもしときますから!!つなぎ服は拘束!可哀想!なんて言うのはやめて、柔軟な対応を望みます

そして忙しくて大変なスタッフさんを疲弊させたくないんです。弄便の後始末ってめっちゃ大変なんですよ。
患者さん本人も、服も、寝具も、壁も、床も、靴も、周辺の棚やテーブルも全部便がついてたら拭いて消毒しなきゃいけない。
ぬいぐるみや本にも触ってついてることもある。「ぶんこ本」ではなく、もはや「うんこ本」である。ソッコー廃棄です。
余程心に余裕があるときでなければ、人によっては怒りすらわくと思います。にんげんだもの。

スタッフの「弄便の後始末したくない」と、患者である私の「ボケても絶対うんこは触りたくない・舐めたくない。つなぎ服着せて」お互いがwin-winだと思うんですけどね。

おしまい。


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