見出し画像

肺炎と後遺症

私は以前ドラッグストアで医薬品登録販売者として働いていました。

2020年1月下旬頃、中国人らしきお客様が店に置いてあるマスクを大量に買い占めていました。
毎日毎日店舗には外国人のお客様が来店し、在庫してあるマスクは全て買い占め…

その頃はまだコロナのニュースも殆どやっていなかったので、またマスクが流行りだした?位で特に私たちは気付きませんでした。


その1ヶ月後にはコロナがどんどん広がり、その頃にはもう外国人のお客様は殆ど見かけなくなりました。

コロナが日本で流行る前にマスクの買い占めにより、お店になかなかマスクの在庫が揃わなくなっていました。


私はちょうどその頃に、風邪のような症状が出ていました。

先輩がそれに気付いて体調が悪いのかと聞いてくれたので、少し風邪気味なだけなのですが、何故か息を吸い込むと胸が痛くて…と話しました。

すると、胸が痛いのは普通じゃない、肺炎の可能性があるから今すぐ帰ったほうがいいと言われました。


症状的には軽かったので、帰りたい気持ちはありつつ素直に言い出せないまま、レジに入る時間になってしまいました。

ですが10分ほどレジ打ちをしていると、突然咳が止まらなくなりました。

お客様は明らかに嫌がって、私に対して汚らしいゴミを見るような目つきで睨みつけて、買い物袋を奪うように取り慌てて帰っていきました。

あの表情は今でも覚えていて、忘れられません。

ただ周りに医療関係者も多く、初期のコロナに対する人の恐怖心の強さは理解しているつもりだったので、今は仕方がないなぁとも思いました。

その後も相変わらず咳は止まらず、私がレジに居るとお客様にもお店にも迷惑をお掛けしてしまうので、そのまま帰らせてもらう事にしました。


すぐに病院に向かい検査してもらった結果、肺がすでに真っ白な状態で先輩が言ったように本当に肺炎でした。

軽い風邪気味の症状が2日ほどしか出ていなかったので、真っ白な肺のレントゲンを見てもまだ信じられませんでした。
先生曰く、肺に風邪のウイルスが届いてしまったら罹患した期間は関係なく肺炎になるそうです。

私は生まれつき肺が弱かったようで、人生で4度目の肺炎になりました。

病院に行った頃には平熱で比較的元気でしたが、その日の夕方には39.6度まで熱が上がりました。

処方された薬は良く効いたのですが、薬が効いてる間は平熱まで下がり、薬が切れたら39度超える…という状態が3日ほど続いたのでかなり辛かったです。

結局コロナだったのかどうだったのか…については、初期のころ過ぎてまだコロナの検査も出来なかったので、恐らくコロナではないだろうとの診断でした。


そこから1週間ほどして、高熱は出なくなったのですがまだ微熱が続いていました。
薬がなくなったタイミングで再度病院に行くと、事前の確認不足で休診日でした…。

まだ微熱が辛くて薬を飲みたかったので、仕方なく近所の別の掛かりつけの病院まで行きました。

私は事情を説明して待合室で順番を待っていたのですが、しばらくして看護師さんが体温計とパルスオキシメーターを持ってきました。

体温は微熱のままでしたが
パルスオキシメーターに表示された数値は91でした。

『えっ!!ちょっともう一度測りますね』と看護師さんは急に慌てた様子で再度血中酸素濃度と脈拍を測っていました。

数値は91のまま変わらずでした。

『91…息苦しくないですか?意識は朦朧としてないですか?大丈夫ですか?とりあえず今すぐここで横になってください!』と矢継ぎ早に言われ、その看護師さんの対応に驚きました。

その時の私は息苦しさは全く感じませんでした。

微熱のダルさはありましたが息苦しさは一切感じず、なぜ看護師さんがそんなに慌てた様子なのか、なぜ酸素吸入をさせられてるのか全くわかりませんでした。

その後すぐに点滴と薬を処方してもらい、家でゆっくり休みました。


このすぐあと位から周りの人たちに『ずっとゼイゼイ言ってるけど本当に大丈夫?』と何度も声を掛けられるようになりました。

指摘されるまで全く自覚がなかったのですが、意識してみると本当にゼイゼイと変な呼吸をしていて、ずっと息苦しかった事にこの時点でやっと気付きました。

肺炎が本当に辛かったのは、ここからでした。

常に標高の高い山に居てるような息苦しさで、横になっても何をしても楽にならず、高熱や咳よりこの息苦しさが一番辛い症状でした。


更に1週間経って薬がなくなっても息苦しさが改善されなかったので、再度病院に行きました。

検査してもらった結果は
『白血球の数値もほかの数値も正常値にちゃんと戻りかけている、あと数日で治るはず』
でした。

結局数値的にはほぼ正常値なのでもう薬を飲む必要はないとの事で、結果だけ聞いて帰ることになりました。

そこからさらに1週間経ってもまだ息苦しさが治らなかったので、再検査してもらいました。

再検査の結果は全て正常値でした。


数値的には治っているのに息苦しさで階段を普通に上がれない、ずっとゼイゼイ変な呼吸をしている、体がダル重い、頭がボーっとする…

その症状は、結局最初の風邪様症状が出てから完治するまでに丸2か月ほど掛かりました。

私はこの肺炎から2年半後にコロナにもかかりましたが、ただの風邪をこじらせた肺炎の方がよっぽどキツくて大変でした。

パルスオキシメーターの数値が91まで実際に下がった時、初めは息苦しさには全然気付きませんでした。
でもその後急に苦しさが来ました。

コロナで容態が急変して亡くなってしまった方のニュースを見ていて、すごくよくわかるなと胸が痛くなりました。


ちなみに肺炎が完治してからコロナの流行でパルスオキシメーターの存在を知って、91は重症一歩手前と知った上でコロナに罹ったので
肺が弱い私は重症化しないかとても心配でした。

その頃は自治体から希望者にはパルスオキシメーターの貸し出しがあったので、すぐに借りて頻繁に測定していたのですが、常に98でした(笑)

でも母は95まで下がっていたので心配でした。
結局数日で99まで回復したので大丈夫でしたが、パルスオキシメーターが一つあるのとないのでは安心感が全く違うなぁと凄く感謝しました。

もうコロナ禍ではパルスオキシメーターは体温計と同じように、1つは常備しておいた方がよいかもしれません。

91まで下がっても自覚出来ない人も居てるので、私は強くオススメします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?