匿名日記 がんについて

日記を書くってことは、人に言えないもしくは話すほどのことでもない、だけど誰かに言いたいことがあるってことと同義じゃなかろうか。
私もその例に漏れない。友人や職場の人に打ち明けるにはちょっとばかし暗く、だけど誰かに聞いて欲しい話がある。だからnoteを始めた。誰かに話を聞いてもらった気になれそうだったから。
昨日のnoteでは、私の最愛のトンデモオカンの話を書いた。今日はその続きのような話、彼女が先日受けた婦人科の細胞診検査で、見事に要精密検査の判定を食らったことについての弱音を少し書こうと思う。この先の内容については個人的解釈や学生時代の曖昧な知識を多分に含むため、万が一これを読む人がいたら鵜呑みにはしないよう注意されたし。まあでも同じ境遇の人がいたらちょっとでも安心出来ればいいなと思う。
病理学、という学問がある。広義ではもっと幅広い意味を持つが、一般に病理学的検査と言えば細胞診または組織診、つまり体の細胞の一部を取ってきて染色し、顕微鏡で観察することを指す。婦人科領域の細胞診で多いのは、子宮頸部の細胞をブラシで擦りとってきて標本にする検査だろう。私の母が引っかかったのは、この子宮頸がんのスクリーニングでだ。
判定はASC-HとAGC。ざっくり言うと異なる2種類の細胞が変な形をしてます、悪性かも、ってことだ(説明雑すぎるか?)。どちらも悪性が否定できないけど良性とも言い難いみたいな、曖昧な感じの分類である。こうなってくると組織診といって、病変部をプチッとちぎってきて更に詳しく見る検査(これが精密検査)が必要になる。他にも分類は色々種類があるので、もし気になったらベセスダシステムで検索してみるといいかもしれない。
細胞診は血液検査と違って明確に値が出る訳じゃなくて、細胞検査士が細胞の顔を見て判定するものだ。どうしても判定間違いは出てくるし、そもそもスクリーニングに引っかかった人のうち本当にがんと診断される人はひと握りである。知り合いの細胞検査士さんに判定結果と所見のコメントを見せたら、「ミレーナを入れているから炎症反応による良性の細胞の可能性も否定できないし、細胞の由来の判定に非常に迷ったのだろう」と言われた。本当に技術のいる検査だ。スクリーナーさんはすごい。
そういうわけで今は精密検査の結果待ちである。そこまで恐れることは無いはずだと思ってはいても、やはり今から結果が怖い。子宮頸がんや体がんはほかのがんと比べて完治率が割と高いものの、年間数千人が亡くなっていることは確かなので。1番不安なのは本人(のはず)なのだろうけど、母は来年あるイベントの話などをして「そういえばその時まで生きてるかわかんないんだった!」などとブラックジョークを言う。勘弁してくれ縁起でもない…。本人なりに不安だからこういう風に言うのか、それとも私を心配させまいとしているのか、もしくは本当に能天気なのか。全部有りえそうでわからない。
とにかく本人がそんな調子なので、私が必要以上に怖がるのはきっとよくない。昔から「泣くのは親が死んだ時とクレしんの映画見た時だけにしとけ」と言われて育ったので(その割に私は涙脆い)、母の言いつけはできる限り守ろうと思う。知り合いの細胞検査士さんも言っていた。今は婦人科領域は治療法も幅広いしかなり発達してる、あまり心配しすぎるなと。プロが言うならそうなんだろう、ちょっと安心する。身近にそういう人がいるのは幸運だった。
診断がどうなるかはまだ分からないが、今回の件で私には新たな懸念が芽生えた。それは母が生きているうちに、子供大好きな母に孫の顔を見せてやりたいというものだ。言い訳にしかならないのだが本当に出会いのない環境にいるので、ちょっとやる気を出さなくちゃいけないかもしれない。というわけで彼氏いない歴6年喪女、絶賛恋人募集中。対よろです。あと若者はHPVワクチン受けとこう。ワクチンって全部自費だと高いんだぞ。

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