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【一口馬主】東サラ、シルク、キャロの2021年度募集馬の頓挫率を調べてみた

はじめに

下記の記事でご紹介しているように、馬体のデータ分析をしています。

収集対象のデータとして3歳の6月1日のタイミングでの成績を記録していますが、デビューできていない馬が多いことがわかりました。
そこで気になったので、ちょうど今の時期(3歳の7月ごろまでに)どの程度頓挫しているかを調べてみました。

調査対象と方法

調査対象

  • 2021年度募集馬(2020年度産、2022年度デビュー)

  • 東京サラブレッドクラブ、シルクホースクラブ、キャロットクラブの3クラブの募集馬を対象

  • 追加募集馬は入れていたり入れていなかったり

  • 募集停止は除く

調査方法

  • 戦歴からデビュー時期とレース間隔を確認

  • デビューが3歳の2月以降の場合、またはレース間隔が5か月以上空いている場合に、2歳の4月以降のクラブコメント、ネット競馬の掲示板、個人のブログなどを確認
    ※東サラとシルクは会員のためクラブコメントを確認、キャロは掲示板などが元ネタ

  • 骨折、屈腱炎、挫石、フレグモーネなどの背景を確認し、明確な理由があった場合に頓挫と判断

頓挫の定義

今回の調査では、明確な要因に基づき、デビューが遅くなる、レース間隔が極端に開く場合と定義しています。

  • 要因には、骨折や屈腱炎などに加えて、コズミ、脚元不安、鼻出血なども含めています。

  • ただし、体力がつききっていないなどの理由でデビューが遅くなった場合や、成長を促す目的での長期放牧によるレース間隔の極端な開きは頓挫対象外としています。

調査結果

頓挫率の調査結果
  • 全体の頓挫率が35.5%と、3頭に1頭が何かしらのトラブルに見舞われていることがわかりました。
    また、骨折率も14.7%と高く、6~7頭に1頭は骨折している計算となります。

  • 特に、東サラの割合は突出しています。
    東サラの2021年度募集馬の勝ち上がり率は、例年と比べていまいちですが、この辺りに原因がありそうです。

前脚を骨折した馬の馬体の傾向

上記調査結果において骨折した33頭のうち、25頭が前脚骨折でした。
現在収集している馬体のデータをもとに、前脚を骨折した馬の傾向を調べてみたところ、下記の傾向が見て取れました。

  • 平均よりも体高に比べて胴が長い

  • 平均よりも体高に比べて脚が短い

  • 平均よりも首が長い

  • 平均よりもトモが発達している

  • 平均よりも飛節の柔軟性が高い

後肢にパワーとバネがあって、かつテコの原理から考えると前脚に負担がかかりやすい馬体の構造を持っている馬といった感じでしょうか。
データ点数が25件と少ないため、これが正しいかどうかは何とも言えないところですが、参考程度に。

今後データ点数を増やしていった際に、再度分析してみようと思います。

まとめ

頓挫率を調べてみた結果、およそ3頭に1頭が頓挫しており、想像以上の数字でした。無事にデビューしクラッシックを期間を過ぎることも結構幸運なことだと感じました。
まさに、「無事是名馬」に尽きる結果になりました。

年1回程度になるかと思いますが、また頓挫についてはデータが入手できたタイミングでご紹介していきたいと思います。

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