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ヴァイオリン協奏曲 作品77

作曲者:ブラームス(1833-97)

このドイツ・ロマン派の作曲家は、ピアニストとしても有名で、シューマン夫妻と友人でした。

ブラームスとヨアヒム

ブラームスにとって重要な人物に、ヴァイオリニストのヨアヒム(1831-1907)がいます。すでに成功していたヨアヒムは、無名だった20歳のブラームスの才能を見抜き、すぐシューマンに紹介。シューマンも、自身の『音楽新報』誌で、ブラームスを称賛しています。

ブラームス45歳(1878)で作曲した唯一のヴァイオリン協奏曲は、ヨアヒムの意見が反映されています。1879年1月1日に初演。指揮はブラームス、独奏ヴァイオリンはヨアヒム。作品はヨアヒムに献呈されています。

聴いて発見

●2楽章

2本のファゴットによる長3度音程で始まります。続いてホルン、そしてフルートとクラリネットが加わり、ヘ長調の主和音を奏でます。オーボエは、ヘ長調のアルペジオを演奏。際立った美しさで、まるで室内楽を聴いているかのよう。その後、さりげなく弦楽パートも入り、32小節目から独奏ヴァイオリンが旋律を引き継ぎます。

●3楽章

独奏ヴァイオリンによる力強い重音で、演奏が開始されます。リズムが特徴的で、ヨアヒムの故郷であるハンガリーを思い起こさせます。
ニ長調で始まり、ロ短調で終わるこのテーマ。どこで転調しているのか、コントラバスとチェロが演奏する低音に注目してくださいね。

学び

ニ長調の音階にある第1音(主音)と第3音を歌う:長三度
ロ短調の音階にある第1音(主音)と第3音を歌う:短三度

カデンツァ

●1楽章


独奏ヴァイオリンのカデンツァ、ブラームス自身は作曲していません。

1982年ウィーン・コンツェルトハウス
 指揮:バーンスタイン
 ヴァイオリン:クレーメル
 管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー
カデンツァは、マックス・レーガー作曲の「無伴奏ヴァイオリンのための前奏曲とフーガ」(op.117-6)から『前奏曲』を採用しています。


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