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コンブ養殖でカーボンオフセット

こんにちは、CoN部です。

「田村淳の大人の小学校」の公式の部活で、コンブ養殖で、海をきれいにし、カーボンオフセットをしながらそれをエネルギーに変えたり、プラスチックにしたり、を模索している部活です。

前回の記事にはたくさんの「スキ」をもらい、とっても励みになりました。

豚もおだてれば・・のように
調子に乗ってまた記事を書こうと思います。

今日は

コンブ養殖によるカーボンオフセットの可能性、とその難しさ

について
World Resources Institute (世界資源研究所)が出したレポートの日本語訳を添えて、コンブ養殖による二酸化炭素削減について書こうと思います。

冒頭の挨拶はこんな感じ

海は、気候変動との闘いにおいて、知られざるヒーローです。
海は、過剰な二酸化炭素の排出の30%を吸収し、地上の熱の90%を吸収しています。それがなければ、私たちはさらに深刻なレベルの気候の影響を経験していることでしょう。
海による二酸化炭素の吸収(ブルーカーボン)の多くは、科学的・技術的不確実性があるため、大幅な資金が必要となります。同時に、学際的な対話は、リスクの検討、懸念の解消、優先事項に関する合意形成に不可欠です。また、試験や将来的な大規模展開の可能性を考慮した、より強固なガバナンスの枠組みが、地域、国、国際レベルで必要とされています。

World Resources Institute、Ocean Carbon

ブルーカーボンと呼ばれる、海藻、マングローブなどの藻場を再生させ、海の酸性化を防ぎ、効率的に(杉の木の5−50倍の速度)で二酸化炭素を吸収できます。ブルーカーボンは国をあげて!日本は取り組むべきですが、まだまだ認知度や活用、そして実際にどれくらいの二酸化炭素を削減できるのか、どれくらいの海の酸化を防ぐのか、具体的な数値はありません。それにはたくさんの資金と研究が必要だとこの冒頭に書かれています。

ではコンブ養殖はどうでしょう?

海藻の養殖とその仕組みについて
海藻(大型藻類ともいう)は、光合成の際に水中の二酸化炭素を吸収し成長します。その際、水中のCO2が枯渇すると、大気から海洋にCO2が移動します。
養殖には、ブイ、構造用ロープ、海藻が生育するロープなどの道具、栄養豊富な水を汲み上げたり(CO2も汲み上げる)、定期的に海藻を深海に引き上げて栄養分を取り込ませる、海藻の収穫と輸送に必要な船舶やその他の資材が必要です。また、養殖は洋上風力発電所などの他の再生利用エネルギーと組み合わせることで、電力源を提供することも可能です。
養殖された海草は、深海に沈むのではなく、収穫され、食品、飼料、バイオ燃料、医薬品、肥料など、さまざまな製品の製造に利用することができます。

World Resources Institute、Ocean Carbon p 35

コンブは日本では親しみのある食べ物で養殖も何百年にわたっての歴史があります。しかし、海藻の98%はアジアで養殖されており、半分が中国での養殖です。そのほとんどが食用、つまり「カーボンオフセット」としては使えないのです。

例えば海藻を養殖してオーガニック肥料にする。今まで輸入していた肥料ではなく、隣の海で取れて乾かす、などの加工をした自然のものを使うと今まで使っていた肥料(加工+輸送にかかる排出量)から地元でとれた海藻由来の肥料にかえる。そんな地域型循環経済をして、社会全体でカーボンオフセットに繋げたい、という気持ちでCoN部はこういった発信をしながら魅力を伝えています。

広島県では昔からアマモが岸に上がると近くの農家の方が集めて畑に撒くそうです。そうすることで海藻のミネラル、二酸化炭素、窒素(これが現在の肥料の元になっている)成分が海藻から地面に戻り、美味しい野菜が育つそうです。昔の人の知恵を、世界に広めるチャンスです!

その他には牛のエサに混ぜることでメタンガスの排出が減る、免疫が上がり、暑さにも強くなる、など色々な海藻での研究が出ています。

さらなる研究が必要なエリア
養殖の方法
生態系への影響 
成長に必要な十分な栄養素を供給する方法の開発と評価
モニタリング(水質の変化、二酸化炭素や他の吸収度)および検証技術の向上
大規模培養による生態系への影響についての理解を深める。
養殖した海藻バイオマス(育てたコンブ)利用方法
海藻を使用した製品

日本においては、養殖の方法や生態系への影響などはもうたくさんの場所で養殖されているので問題がありませんが、他の国では「ここで育てたらリスクはないのか」「海藻が大量発生したニュースなどをみて怖い」アジア以外の国では海藻に馴染みがない分、悪いもの、のようにとられるケースが多いです。

また中国などで最近大型化したコンブの養殖場で成長に十分な栄養が行き渡らない、といったケースがあるそうです。海流のある場所、ではない場合、必要な二酸化炭素や窒素が足りずに育ちにくくなるケースがあります。

そういった場合、地下から水を汲み上げ、ポンプで押し上げるシステムを青島の研究所でテストしたところ、通常の4倍の収穫量になったそうです。

少し専門的な話が多くなりましたが、海藻の養殖が注目を集めている!という記事でした。


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