Everything Everywhere All at Once

簡単に言えば、よく考えられた、違うバージョンの家庭内ゲンカスターウォーズで、相対性理論ごっこで、受容というブレてないポートキーを使って人の存在を地面に接地させる話。

And who knows what great new discovery is coming next…to make us feel like even smaller pieces of shit.

次の偉大な発見があったら…もっとクソ愚かだと感じるはず。

作中セリフより

これには爆笑した。時間の無駄と書いているレビューが散見されたけれど、作品は一般が理解できる程度に作ってある。確かに情報量は多いし、シーンというか空間がひっきりなしに入れ替わるし、観てる生身の人間の方がしっかりしていないと作品に振り回される。それがちょっとわかりにくいので、ロキ(北欧の神でトリックスター)っぽさにあきれるのかな、と。

日常で感じることのある虚無や違和感の解説を映像に昇華させた。すごい。
普段から人に振り回されて生きている方は、より理解しやすいかもしれない。
犬を振り回すシーンがあって、虐待だと書かれているレビューもありました。しかしですな(誰だアンタ)作中世界ではただの物質法則縛りの一環でしかないので、武器として抵抗なく成立するんです。カルツァ=クライン理論とか、4次元ポケットの世界の仲間。

以下3つがちょっとしたカギかも

  • くだらなさは全部繋がってる 貴賎なし

  • 人はどんなに進化しようが、肉体を組成する物質の縛りがある限り神様にはなれない。右に〜左に〜上下斜めと法則をピンボール移動するだけ。

  • それから逃れたくて「自由になれない」とか言って文句を言う。投げやりになる。

  • どんな人でも最期に、「仲良くすれば良かった」と言ってこの世を去ってゆく。

Siri論 
あのですね、いい意味でマニアックなオタク向きの映画です。何を言ってるんだろう此奴はと思われるかもしれないですが、まあ見てみなはれ。この映画を観て、もし内容がわからなくても最終的に行きつくのはどこか分かっていれば大丈夫。
生き血を多少吸われるが、面白かった。