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『読書感想』

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2024年1月の記事一覧

『読書感想3』

『読書感想3』

W.Somerset Maugham
(1874-1965)『Rain』雨

「雨」の舞台は、通称(Pago・Pago)パゴ・パゴと呼ばれる米領サモアのツツイラ島にある港街です。
マクフェイル博士夫妻は、任地エイピアに向かう船の中で、デイヴィドソン宣教師夫妻と知り会います。

デイヴィドソン宣教師の受け持ちは、サモアの北にある一群の島からなっていて、離れて散在していますので、彼はカヌーで巡回してい

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『読書感想2』

『読書感想2』

『灯台へ』

Virginia woolf 1882-1941
England

ウルフは、人間がとても好きなのでしよう。人間に対する観察力が繊細で綿密に描かれています。
ウルフは、日常の生活の中で人間が深いところで持っている精神の状態、心の動き、人間の深層心理を描く能力が秀でています。

第一章では、ラムジイ夫人の目と心を通して、別荘に滞在する人間を、ある時は遠くから、ある時は近くに引き寄せさま

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『読書感想1』

『読書感想1』

『ダロウエイ夫人』

Virginia woolf 1882-1941
England
20世紀のモダニズム文学の主要なブルームズベリー、グループ

ウルフは、20世紀の初め
英文学の一つの流れを形成した作家として評価を受けます。

それは『ダロウエイ夫人』に用いられた新しい手法「意識の流れ」です。固定観念を打ち破ったこの手法には、始めて接する読者は戸惑う事でしょう。私も第

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