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行動の裏側に[Footwork&Network Vol.21 No.8]

新たに出会った人の中から印象的だった人を紹介するF&N。今回は同じ長岡ゼミ生である”ののか”を紹介する。


ゼミでの出来事


私はゼミに入ってまだ一ヶ月しか経っていないが、毎週の活動でののかの振る舞いを見ていると、この人は素敵だと思う場面がある。

ある日のゼミで、活動の振り返りをみんなで発表していた時のこと。その日はほぼ全員が対面で来ていて、オンラインで参加している人は少人数だった。オンラインの人に授業の様子が分かるように、移動式のカメラを設置することで、ハイフレックス型のゼミは順調に進んでいるように思われた。

ところが、しばらくして先生が黒板に文字を書いていたとき、実はまだカメラは対面で来ているゼミ生らを映しており、完全にオンライン側からは黒板の文字が見えない状況だった。
すると、ののかはオンラインの人から文字が見えないと伝えられるやいなや、誰よりも早くカメラの向きを調節していた。

大多数が同じ空間に集まっていると、自然と対面で参加している人の意識は教室に向き、オンライン組を置いていきがちだ。私が「自分がどう振る舞うか」しか考えていなかったとき、彼女はこの場だけでなく、オンラインの人のことまで気にかけていたのだ。

目線をメタに

その時のことについてののかに聞いてみると、「私自身がオンラインでゼミを受けることが多く、苦労した部分も多かったから」だという。
この場面を含め、ののかは行動のひとつひとつが周りの人のためになってきたと話す。「2年の時は今自分がどうしたらいいかを考えていたけど、ゼミ長になって、目線が変わって、ゼミが円滑に進むにはどう動いたらいいかを考えるようになった。」
ののか自身の振る舞いが、ゼミ全体にどう影響するかを考えていたのだ。

「成長したい」が阻害するもの

私がこのゼミに入ったのは、「成長したい」からであった。しかし何をしたらいいのかわからず、うまく行動に移せないのは、”自分が”成長したいと思っていたからだと気づいた。
この“自分が”成長したいという気持ちはやっかいなもので、しばらく持ち続けていると、関心が他者に向かなくなっていき、自分の利益にならないと思ったことはやらなくなったり、経済的に価値のないと思ったことに手を出さなくなっていく。
「成長したい」「変わりたい」と自分が思っているとき。そんなときだからこそ、いったん目線を他者に向けてみるといいかもしれない。他者を気遣ったり、周りの人の居心地を良くしたり…。自分が成長することに捉われない。そうやって成長のベクトルを自分だけに絞らないことが、回りまわっていつの間にか自分”も”成長していることにつながっていくのではないか。


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