目交
下にいるとき、
私はずっと横を向いていて、
もしくは腕で目を隠していたり、目を閉じていた。
今まで誰もそのことに触れなかったから、
どんなに彼が好きでも、私は横を向いていた。
「こっち見て」
「恥ずかしいからイヤ」
「恥ずかしくないよ」
「あなたがでしょ」
「目見たいよ」
「・・・・・・」
私は知ってた。
目を見たら、戻ってこられなくなることを。
私を見る目に吸い込まれて、
私という形がなくなって、
溶け合ってどこまでもいくことを。
目を見たら、もう離せない。
ぐちゃぐちゃになっていく自分を止められない。
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