カオスを数値と数式で表現する


カオス理論とは、初期条件に非常に敏感な非線形力学系の振る舞いを研究する数学の一分野である。言い換えれば、システムの初期条件のわずかな変化が、時間の経過とともに大きく異なる結果をもたらすことがある。このような挙動はしばしば「カオス的」あるいは「ランダムな様相」と表現される。


カオス的な振る舞いをする方程式として有名なのは、3つの連立常微分方程式からなるローレンツ方程式です。


dx/dt = σ(y - x)

dy/dt = ρx - y - xz

dz/dt = -βz + xy


ここで、x, y, z はシステムの状態変数、σ, ρ, βはシステムの挙動を制御するパラメータを表す。


ローレンツ系は流体力学のモデルとしてよく使われるが、あるパラメータ値ではカオス的な振る舞いを示す。この振る舞いは、系が初期条件に対して敏感であることや、系の長期的な振る舞いを表すストレンジアトラクターが存在することなどが特徴である。


カオス理論は、物理学、生物学、経済学、工学などの分野で数多くの応用がなされている。カオスシステムの研究は、新しい数学的ツールやテクニックの開発につながり、自然界の複雑なシステムに対する理解を深めてきた。

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