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肺腺がんになった(1:検診)

繁忙期目前の2023年11月下旬 定期検診受診、
午後は予定していた仕事をするだけのはずだった。
午前中に発生したイレギュラー対応で時間が溶ける。
結局、予定した仕事には手をつけられぬまま、帰りのバスに乗ることになった。

夕飯の献立を検索していると、見慣れない着信。
バスの中だからスルーして検索に戻る。

バスを降りてスーパーの前で買い物リストを見ようとスマホを出すと、同じ番号からの不在着信。
(なんだろう)調べると検診機関からだった。
(忘れ物かな?)折り返すと声が担当者に変わる

「胸に2㎝の影があります」
「レントゲン画像と紹介状を速達で送ります」
「すぐに精密検査を受けてください」
「病院のリストは同封しているので…」
(え…精密検査?)お礼を言って電話を切った。

とりあえず、上司に電話した。
「こんな時期にね…」私だってそう思っている。
ご迷惑かけますがとお詫びをして、翌営業日に朝一で受診し、出勤する旨伝えて電話を切った。

知人から「昔の肺炎の傷跡みたいなものがあると毎年レントゲンに引っかかる」と聞いたことがあった。

(そういえば…)
2022年秋ごろ喘息が出てからというもの、体調はすぐれなかった。無断欠勤を続けた後輩が退職し、担当業務が増えた頃だ。優先業務から片付けても、毎月2日分ずつ負債が溜まっていく計算。
今年の閑散期までフル回転で何とか取り返し、繁忙期の準備ができるとホッとしていた。

(そういえば…)
春頃に胃炎になったり、眩暈がしたり、咳が止まらなくなったことがあった。昼休みに内科を受診し、騙し騙し過ごしたが、1ヶ月半ほど声は枯れていた。
その後、コロナに感染したから、その時に肺炎にでもなったのか、その傷跡みたいなものかもしれない。
きっと、そうだと思った。

(また仕事が溜まっちゃうよ)
そのくらいに思っていた、能天気な話だ。

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