ガンダムの映像作品でどれを見た方がいいか聞かれたとき用のお勧め具合②
⑧機動戦士ガンダムF91(劇場版)
宇宙世紀の話の中でもアムロとシャアの最終戦から突然40年後に飛びます
人口が増えすぎてしまったコロニー市民及び地球に居座り続ける連邦政府に対して、建前上は人類の粛清という大虐殺を目的に掲げたロナ家という貴族主義者とそれに巻き込まれたコロニー市民の抵抗を描いています
今の地球でも同じことが言えそうですが、人口が増えても社会の成長度が急激に上がるわけではないので選民思想を用いるというロナ家の話はファーストのザビ家に通じますが、目的と手段が入れ替わってしまっている鉄仮面という首魁の凶悪さが際立って見えます
この話の後より漫画クロスボーンガンダムシリーズが始まりますが、クロスボーンだけ読むと途中置いてけ堀になるので、こちらを見てからの方がいいでしょう
また最近この映画のバックボーンを補完しているプリクエルという漫画も出ていますのでそちらもお勧めです
個人的評価は8くらいです
⑨機動戦士Vガンダム(TV 全51話)
富野監督の宇宙世紀作品の中では最後になるVガンダムです
F91の世界からさらに30年経った話になります
主人公は東欧の僻地に住む少年ウッソ・エヴィンでヒロインはシャクティ・カリンというお隣に住んでいる幼馴染です
たまたまレジスタンス活動をしているリガ・ミリティアに巻き込まれてしまいます
こう書くとほのぼのしているように見えますが全然そんなことはなく、終始一貫して戦争だと人は無残に死んでいくというストーリーが登場人物の感情の起伏を中心に描かれています
というのも主人公とヒロイン以外で生き残る人がごく僅かで、最終話に辿り着くまでにあまりに人が死に過ぎて鬱になりかねません
キャラデザやメカデザ、音響といった映像関係は満足出来るのですが、根本が死に過ぎるという面でとてもマイナスになっていると思います
また登場人物の不可解な言動がこの頃から増え始めたのも大きなマイナス要因だと思います
特にシャクティの平和への願いという無邪気な欲求からくる行動により状況を悪化させるという事態が多く見ている人にイライラを与えるのも問題です
個人的評価は画像音声は7を付けてもいいと思うのですが話が暗すぎてダントツの1を付けてしまいます
⑩機動武闘伝Gガンダム(TV 全49話)
宇宙世紀とは別の世界線、未来世紀が舞台となる作品です
戦争という無駄な消費を無くし宇宙に出た各国がそれぞれガンダムを作り上げ、ファイターという格闘家を乗せることで代表戦を戦わせるオリンピックのような世界になります
ネオジャパン代表ドモン・カッシュが父カッシュ博士の冷凍刑から解放させるためにデビルガンダムで逃げた兄キョウジ・カッシュを追いつつ、シャイニングガンダムで各国代表ガンダムと戦うストーリーとなっております
この作品を語る上で外せないのはドモンの格闘技の師匠、ネオホンコン代表東方不敗マスターアジアでしょう
何故香港がまだ独立しているかというと1995年の作品なので香港返還前なのでネオホンコンという国家になっていると思われます
ただマスターアジア自身も実はネオジャパン出身だったりします
そこら辺は漫画版も含めた話となるので割愛しますが、ドモンとこの師匠の信念の闘いが主な話となります
またドモンとヒロインのレイン・ミカムラとの恋愛関係も見どころです
個人的に7は付けられると思います
⑪新機動戦記ガンダムW(TV 全49話)
これもまた宇宙世紀とは違うアフターコロニー歴(宇宙のコロニーの開発時を元年とする)が舞台になります
MSが一般的な兵器ではなかった世界から始まるのですが、この世界の一番最初のMSを作った6人の科学者の内の5人がコロニーからそれぞれガンダムを地上に降ろしてOZという武装勢力に対して破壊活動をさせるという話になっています
ファーストガンダムのようなくだりも多いのですがガンダムパイロット5人はそれぞれ1人ずつ孤独な戦争を仕掛けていくことになります
ガンダムパイロットがレジスタンスというよりテロリストなのも初ではないでしょうか?
ですがそのテロ行為自体もコロニー引いては地球と宇宙全体を守るための行動に繋がったのは、手段が間違っていても目的は正しかったというちょっとややこしい側面を持ち合わせているので、戦闘自体は悪くてもハッピーエンドに繋がる珍しい例ではないかと
個人的には9を付けたいと思います
⑫機動新世紀ガンダムX(TV 全39話)
地球と宇宙の第7次宇宙戦争から15年、荒野となった地球から物語は始まります
ニュータイプと呼ばれたヒロイン、ティファ・アディールを奪取する依頼を主人公ガロード・ランは受けますが、ティファに導かれてかつて地球を守るために使われたガンダムXを得て依頼を破棄し、ティファを守るために戦うことになります
ボーイミーツガールという恋愛ドラマでは典型的な手法をガンダムで始めた最初の一歩だったかと思いますが、当時はあまり人気が無かったと記憶しています
ですが私が放映時に見ていた年齢も近く、多感な時代だったので感情移入しやすかったのもあり一番好きな作品です
またファーストから続くニュータイプとはという根本的な問題を解決しようと模索していた作品であり、登場する主人公サイドの人物たちも大人の男が多く理解力があるような話が多かったです
時期的にガンダム人気が悪く、金曜夕方から土曜朝に時間変更され、話数も短縮された悲しい部分もありますが見終えた時は満足するかと思います
個人的評価は一番好きな作品ということもあり10にしてしまいます
⑬∀ガンダム(TV 全50話)
地球が南北戦争後の19世紀~20世紀前半くらいの生活水準の世界において、過去の戦争により分断され長らく戻れなかった月からの帰還民と地球人類の関係を描いています
ガンダムのデザインは映画「Tron」のシド・ミード氏で当時はこんなものガンダムではないと批判が殺到していました
主人公は帰還民の潜入隊の一人ロラン・セアックでヒロインの一人キエル・ハイムのお屋敷で働くことになります
その地方の成人式の祭りの最中、月からの帰還先遣部隊のディアナカウンターがキエルたちの住むヴィシニティを襲い、キエルの妹ソシエ・ハイムと共に∀ガンダムに乗り込み戦うことを余儀なくされます
ディアナカウンターというのはもう一人のヒロイン月の女王ディアナ・ソレルの人民の軍隊なのですが、派閥争いもあり状況の混乱が多く、様々な一派に分かれて戦争をすることになってしまいます
キエル・ハイムとディアナ・ソレルが瓜二つということもあり話中で入れ替わっていろいろな経験を二人が積むこととなっていきます
ロランやキエル、ソシエ、ディアナ共々月に行き、ギム・ギンガナムという武門の生まれの戦争狂と対峙していくのが後半の話となります
話としては分かりにくいところもあるのですが凄く面白いのです
ただメカデザインがやはり受け入れづらく私も∀ガンダムだけはプラモを買いませんでした
黒歴史という言葉が出てきたのもこの作品からあたりだったように記憶しております
個人的に話は面白く引き込まれるのですがメカデザインの観点から5くらいしかつけられません
また次回に続きます
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