【創作の中毒×中毒の創作31】

「いつも渡している薬は、ちょっと効果が疑問視されているモノなんだ」
 ドクターは平然とした顔で言った。

「先生。僕が妄想を見ているとでも、言いたいのですか?」
「……」
「僕が、青山霊園の地下で、白塗りした奇怪なイキモノの家族とバーベキューをしたあげく、逆恨みされて、殺されて、イキモノの仲間にされそうになったこと」
「……」

「この悪夢のような恐怖譚が、全て効果の弱い薬を処方されたことによる、僕の“モーソー”だとでも言いたいのですか?」
 俺は、キレた。

「……」
 ドクターは、しばらく無言のまま、俺の顔を眺めていた。

「何とか言ってくれよ。僕が本物のキ●ガイだとでもいいたいのか?」

……数秒後
「そうだ」

「え?」

「今頃、気付いたのか。おまえはキ●ガイだ」
 ドクターは、あっさりと言った。



 

 

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