【創作の中毒×中毒の創作32】

「ききき、キ●ガイだって?」
 俺は声を上げた。
 ショックのあまり、ドクターの顔をマトモに見られなかったほどだ。

「そうだ。キ●ガイだ」
 ドクターは平気な顔で繰り返す。

「おいおい。それが自分の担当している患者に対して、言うことですか? 僕のメンタルが良くならないのは、そもそもアナタの責任じゃないんですか?」
 俺は、文句を言った。
 
 元々、こんな医師など信じていないが、さらに、『信じられない!』と叫びたい衝動に駆られていた。

「そうだ。俺の責任だ。だって、キサマに効かない薬を処方したのは、嫌がらせのつもりだからな」
 ドクターはニヤニヤ笑っている。

 ――ふざけるな。コイツこそ、マッドサイエンティストだろ


 

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