見出し画像

がんのこと③HBOC(遺伝性乳がん卵巣がん症候群)①

私はHBOC(遺伝性乳がん卵巣がん症候群)だ。BRCA2に変異がある。それがわかるまでを何回かに分けて書きたいと思う。

乳がんがわかってから何度も「遺伝」という言葉を言われた。最初に診断されたクリニック、友人である医師。私自身、母が乳がんであったから、ずっと意識していた。しかし、「遺伝」の意味を本当にはわかっていなかった。ただ漠然と遺伝なんだろうなと思っていた。

病院で診察を待っている間にスマホでググッた。「家族性腫瘍」…トリプルネガティブであることが多い、何度も再発を繰り返すなどあまり読みたくない内容が目に入ってきた。
「まあ、違うだろう。5%くらいだし。」
そう思って一旦そのことは頭の端に追いやった。しかし忘れることは出来なかった。

手術が終わり病理を待っている間、医師である友人から乳がんの市民公開講座があると教えてもらった。
家で塞ぎ込んでいた私だったが、主人が行ってこいと背中を押してくれた。重い体と心を引きずって会場にたどり着いたただ、乳がんを経験した藤山直美さんの講演が聞きたかった。

その市民講座で初めて私はHBOCについて詳しく聞いたのだ。

  • 「遺伝性乳がん卵巣がん症候群」

  • アンジェリーナ・ジョリー

  • リスク低減手術

今まで漠然と「遺伝」とだけ思っていたことが、きちんとした知識として頭に入ってきた。そして藤山さんの講演なの中で彼女も受けたということも聞いた。
「これだ。」
トリプルネガティブ、自分を入れて3人乳がん罹患。HBOCの可能性がある。
ならばどうするか。
遺伝性ならば、リスク低減手術を受けることで予後が改善出来る。抗がん剤の種類も考えた方がいいかも。
出来ることがある。


しばらくして、病理が出て抗がん剤をすることが決まった。提案されたのは。アブラキサンとFEC。
主治医に遺伝性の話を聞いた事、場合タキサン系は効かない、むしろ増悪する場合があると聞いたことを話した。
「そんなことめったにないから心配しなくていいよ。」
そう言われたが、私は食い下がった。
「せめてFECを先にしてください。」
その間に遺伝性の検査をしよう、遺伝性のBRCA1ならタキサン系はしない、逆に出来ることは何でもしたい、後から後悔したくない。私は必死だった。少しでも生きられる道を探していた。

その後何度も遺伝性の検査を受けたいと言い続け、ようやく遺伝カウンセリングにつないでもらった。
主治医はあまり乗り気では無かったようだ。この時には、カウンセリングも検査も保険適用前で全て自費だった。おそらくそのせいだろう。
しかし私にとってお金の問題では無かった。一刻も早く早く検査がしたかった。
行ったらすぐに検査をしてもらえると思っていた。

〜遺伝カウンセリングに続く(予定)





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?