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「危なっ!」File4 ~ステルス ミサイルの恐怖!!


対向右折車の陰から・・・

 とある町の、とある交差点でのこと。
 交差点を直進しようとしていたところ、対向車が右折合図を出して交差点の中央付近をゆっくりと進行してくるのが分かった。

 こちらはそれほど急いでいるわけでもないので、若干アクセルを緩めると、その対向車はゆっくりと右折を開始したので、右折を終えるタイミングに合わせ、私は少し加速して交差点を通過しようとしたところ・・・
(場面1)

青色は私。右折車は黄色。

 図面(場面1)をご覧いただければわかるが、双方とも青信号の、ごく普通の交差点の情景である。

 このとき、直進車の私(青色)からの視点では、対向右折車(黄色)に後続している車(赤色)は右折車に重なっている状況だったので、その存在に気付いていなかった。

 そして、くだんのごとく、私が右折車の右折し終えるタイミングを見計らって加速しようとしたその瞬間、右折車の陰から突然対向車が現れ、私のほうに向かって真っすぐ飛び込んでくるではないか。(場面2) 

ステルス右折車は、対向車線にはみ出しながら突っこんできた。

 飛び込んできた車(赤色)は、対向車線に進入してきたため、私から見ると、私の進路上の車線をまっすぐ私の方に向かってきている状態だったので、瞬間的には、右折車とはわからず、逆走車が飛び込んできたと感じた次第である。

 しかも、結構な速度で突っ込んできた。

 対向右折車の陰から突然現れた右折車は、まさしく「ステルスミサイル」のごとき登場(「ステルス右折車」と呼ぼう。)で、私はといえば、思わず「おわーっ!」と声を上げてしまった。

 同時に急ブレーキを踏むことととなったことは言うまでもなく、ABSが作動したわが車は、ガクガクと揺れて、どこか壊れたんじゃないかと思わせる事態になった。

 幸い、どこにも異常はなかったが・・・

 そして、次の瞬間、逆走車かと思わせたこのステルス右折車は、交差点の右端を内回りしてその先の道路に走り去ってしまった。

正しい右折の方法を思い出そう

 右折の方法については、運転免許を取得する際に皆学んでいると思うが、ここでおさらいをしてみよう。
 正確な法文ではないが、このように学んでいるはずだ。

 あらかじめ道路の中央に寄り
 交差点の中心の直近の内側を
 徐行して進行する
 この際、交差点内の他の交通に十分注意しなければならないことは言うまでもない。

 この内容からすると、件のステルス右折車は、右折方法違反になることは明白であるが、違反かどうかというよりも、とにかく危険な通行にほかならない。

交差点は危険がいっぱい

 交差点は、そもそも、他の交通と交錯する場所なので危険がいっぱいであることは、誰もが知っていることだ。

 その危険性に対する認識が甘いと、件のような危険な運転をする者が出てくることになる。

 交差点は危険な場所であることを、もう一度 再認識 していただきたい。

 交差点(特に信号交差点)には、ほとんどの場合、横断歩道や自転車横断帯が設置されている。
 右・左折する際、この交通と交差することになるのだが、右折の場合は、特に、交差点の中央付近から進行させることで、歩行者や自転車の進路に対する進入角度を90度に近づけることができる。

 つまり、90度に近い角度で交差できるようにすれば、左右の安全確認がしやすくなるということだ。
(パターン1)

進入角度による視野の状況

 ステルス右折車のように、内回りして斜めに右折しようとすると、特に、右後方からの歩行者や自転車が見えづらくなり、当然、見落としによる交通事故のリスクが高くなる。
(パターン2)

 しかも、先行車と重なるように加速して二重右折のように進行していくのであれば、まず、安全確認は二の次にならざるを得ない。

 近年、従来は鋭角に交差していた交差点の改良が進み、交差角度を90度に近づけた交差点が多くなっていることにお気づきだろうか。

 これは、安全確認の視野を確保するために行われている改良なのである。

右折するときのポイント(おさらい)

 まずは、対向車と左右道路に設置された横断歩道を横断する歩行者・自転車が優先であることを再認識しよう。

 右折するとき、内回りをすると、安全確認のための視野が偏るので、なるべく交差点の中央付近から交差道路にまっすぐ進入するように心がけよう。

 対向車が進路を譲ってくれた時は、その対向車の側方を進行する二輪車や自転車に十分注意が必要だ。
 うっかりすると、いわゆる「サンキュー事故」になりかねない。

 また、対向車の様子をしっかり見て、その速度を見誤らないようにすることが大切だ。
 まだ、十分に距離があると思っても、意外に速度が速かったりした結果事故になるケースは多い。 

 また、車の大きさによって距離を見誤ることも多い。
 大型車は遠くても近く見えるが、軽自動車や二輪車は小さいため、遠くに見えても思ったよりも近くに来ていることが多い。

 最後に歩行者・自転車の動静だ。
 そのまま渡っていくと思ったら、何かを思い出して急に逆戻りしたり、子供はどこへ飛び出すか予想がつかないので、きちんと動きを確認して、危険のないところまで移動したことを確認しよう。

 そして、必ず徐行して進行しよう。

 先を急ぐと、つい、安全確認がおろそかになってしまうものだ。

秋の全国交通安全運動の期間中ですね。

 9月21日 から 9月30日まで
 「秋の全国交通安全運動」が行われていますよ。(^▽^)/

 安全運転に努めましょう。


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