コロナと大学生活を振り返る

卒業シーズンになって,スーツ姿や袴姿の人たちをよく見かける季節になった.
僕もこの春で大学を卒業.僕は2020年に大学に入学したが,
その年はあのコロナウイルスが流行り出した年.

大学進学に備えて名古屋で一人暮らしを始めたが,いざ4月に入るとすべての授業やイベントがオンラインになった.知り合いなんて誰もいない街で,毎日アパートに籠って授業を受ける日々が始まったのである.

自分は大人数でわいわいといったタイプではないので,最初は一人暮らしにウキウキしていた訳だが,一週間も経つと正直結構さびしさの方が勝ってしまう.

大学生ってサークルとか部活とか入って,飲み会とか行って,恋人作ったりするんだよな...と妄想していた僕の大学生活はたちまち台無しになった.

家でパソコンとにらめっこしてばかりでは,あまりにもつまらなかったので,バイトをしようと思った.
しかし,当時飲食店はコロナでほとんど休業だからバイトなんて募集しているはずがない.かろうじて募集していた家庭教師のバイトに申し込んで,週に一度だけ外出する口実を得た.

今思えばあの頃は無限に時間があったので,もっと色んな趣味を触ったり,興味のあることを勉強してみればよかったのだが,大したこともせずだらだらと時間を浪費していた.

半年ほど経つと徐々に対面で授業が始まり,人との交流も増えていったのだが,結局のところ,体感で大学生活の3割ぐらいをコロナで失った気がした.

ネガティブな要素ばかりだが,少しはポジティブな事も書いておく.

無限に時間があり,かつずっと一人でいる環境に置かれるとき,自分の本当に興味のあることが浮き出てくると思った.裏を返せば,何もやりたいことが起きない時,実は自分は今までこれといってやりたいことがなかったんだと気づいた.

高校生の時,大学に入ったら経済学とかおもしろそうだから勉強するぞと意気込んでいたけど(経済学部でもないのに),いざ勉強できる時間ができても自分は一切それをやらなかった.

自分の興味のあることは○○だ.と思い込んでいただけで,それをやっているのがカッコいい自分に憧れていたということかもしれない.

でもこれはむしろ良かったと思っていて,仮に自分が経済学に興味があると自分に嘘を思い込ませてそのまま時間が過ぎ,本当にやりたい事をみつけられなかったらそれはすごく後悔すると思った.

だから大学2年生に入ってからは,自分が少しでもやりたいと思ったことに片っ端から手を出してみた.3日坊主で飽きるものもたくさんあったが,自分はその分野には向いていない・本当は興味がないということが分かったのは価値があると思ったし,もしコロナが無くて時間にゆとりのない生活を続けていたらこれに気づけなかったかもしれない.

おわり


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