見出し画像

はじめてのマクノシタ

全国に散っていった同志たちへ


拝啓
桜が散り、春の陽気が顔をのぞかせる季節になりました。全国各地に散っていった同志たちはお元気でしょうか。僕のところはようやく雪が無くなり、日中は暖かな日差しが降り注ぐようになりました。
約1ヶ月前、すすきので別れたあの日から未だに皆さんと別れた実感が湧いていません。いつかどこかでみんなに会えるんじゃないか、次会うのはいつになるんだろうか、そんな思いを頭の中で巡らせると眠れなくなるので考えないことにします。
ただ、皆さんにこれだけは言えることがあります。
「安物買いの銭失い」
この言葉は今日2023年4月15日21時00分、僕の魂に刻み込まれました。今日この出来事を墓標としてここに供養したいと思います。全国に散っていった友たちよ、私の屍を超えて行ってください。
                                                                      敬具

新生活

幸か不幸か北の大地での生活が再開した。名残惜しいと感じていたクラシックや雪とは別れられず、まだ数年呪いの装備のように付きまとうのだろう。4月15日現在、配属先に出社し始めて1週間ほど経つがまだ社会人としての実感が湧かない。ぬるっと社会人になりぬるっとおっさんになっていく。希望はあるのかはわからないが、自分なりに置かれた場所で咲いてみようと思う。

みんなは仕事を始めてどんな事を感じているだろうか。研修だけだから座っているだけでお金が手に入るだとか、先輩の残業時間を見て発狂しただとか、規則正しい生活になり1日が長く感じるだとか各々思うところはあるだろう。
僕は仕事を覚えていくことが精一杯で1日があっという間に感じてしまう。それと同時に仕事が人間生活の大半を搾取するものであると痛感している。このまま指数関数的に時間感覚が早まっていく恐れも肌に感じながら、あっという間に2年3年と過ぎていくのだろうか。やれ誰が結婚しただ、やれ子供ができただ多くの噂を耳にするだろう。元来、僕は他人には興味がほとんど湧かないが、大好きな家族や大好きな友人たちは例外だ。対面では決して口にできないことを恥ずべきだろうか。ただ心の中では各々がそれぞれの幸せを見つけてほしいと切に願っている。

自分語り

世間は完全週休二日制とやららしい。家族連れや旅行客らが闊歩しているのを横目に、ただの週休2日制の僕が世間の休日に動員されている。これを僕はなんとも思わないタチだが、ただ気軽に会える友達が近くにいないことだけが気がかりだ。職場環境はかなりホワイティだし、上司も先輩もいい人たちばかり。給料も福利厚生もさして文句はないがどうしても全国転勤の弊害として、友人家族に気軽に会えないことだけが喉につっかえる。なんでも言いたいことが言いあえる人たちが、お金で買えない宝であることを失ってから初めて気づかされた。
前置きが冗長になったが、そんななんでも言いたい事を言い合える友人たちに一つだけ言いたい事がある。

「安物買いの銭失い」


これだけ、そう、これだけでもいいんだ。これだけはどうか心に留めておいてほしい。

扉を開けたら

要点を得ない無駄話や自分語りで読者の方々は辟易としただろうが、ここから本題に入ろうか。

僕は今、賢者タイムでこれを書いている。

何を言ってるのかわからねぇと思うが俺も何を言っているかわからねぇ。そう、端的に言えばデリバリーを頼んだのだ。

僕は4月16.17日が2連休になっており、15日の夜は久々の連休として駅前のホテルでも予約し、温泉に入りサウナでも堪能しようと思っていた。
ただ、ここで魔が差してしまったのが運の尽きであった。
「せや!給料も出るしデリでも頼んだろ!!(ボロン)」
僕が馬鹿だった。性欲というものは人の判断力を著しく低下させるとともに、行動力というエンジンに凄まじいエネルギーを供給するものである。
流れるように勢いに乗って店を調べ、15日の20時から1時間の予約を入れ、ウッキウッキで17時半の定時に退社した。一泊する荷物だけをリュックに詰めてチェックインし、初めての経験に心おどらせベットに座る。

ピンポーン

ベルが鳴る。来た。あえて覗き口は見ずドアを開ける。





そこにはマクノシタが立っていた。






そう、私は0.2秒の領域展開をし、凄まじい計算速度で思考を重ねたものの

「チェンジ」

この一言が出なかった。

「男にはチェンジと言えない状況がある」

そんな事をどっかの下ネタ満載アニメが言っていた気がするが、それのせいかもしれない。いや絶対それだ。小さい頃から見ていたから刷り込まれたのだ、僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない僕は悪くない。
そう考えながら俯くとどうしてだろうか。

上を向いて歩こう。

なぜだ、俺は俯いているのになぜお前は上を向いているのだ。
しかし、実際に行為が始まればどうだ。本当に最低かもしれないが、ポケモンをやっている気分になる。俺はポケモン図鑑なんてどうでもいいんだ。本当に大変申し訳ないが、マクノシタが使えないはずのフラッシュをしてくる。もう、だめだ。お母さん、マサラタウンに帰りたい。
そんな愚息と共に時間は進み、大して盛り上がりもせず、ヘルニアが再発しそうなほどの重さを支え、無事義務射出することはできた。
1時間あるうち、残りの10分が余ってしまった。その気まずさと言ったらどうだ。技が4つしかないのにppはゼロ。じたばたしかできない。
適当に喋りながら賢者タイムを過ごし、彼女と別れた瞬間にトイレでイソジンしまくり、体を洗いまくった。なんなら軽くゲロが出た。

賢者タイム

このような流れでベットが汚れだけで、僕の初めてのデリが終わり完全なトラウマになってしまった。もう二度とこのようなサービスは利用しないと心に誓いたい。
ただ、安かったのが良くなかったのかもしれない。有識者曰く、地雷と見られる要素を悉く踏んで予約していたようだ。
それを考慮しても僕はこのサービスを利用することは当分ないだろう。脳裏にマクノシタが顔を覗かせてくる。

この話をどこかで消化せねばと数人と協議した結果、このnoteにて供養しようという結論に至った。公開するのは男子諸君らだけにしよう。そう願っている。みなさんがどこかでこのくだらない駄文を読んで、クスッとでも笑ってくれれば僕は報われる。

重ねて言うが

「安物買いの銭失い」

これを絶対に忘れないで欲しい。

あとがき

これから辛いこと、きついこと、楽しいことの多くの瞬間がみなさんの肩にのしかかると思いますが、それぞれが良いと思える暮らしをしてください。
ただ、のしかかりで腰を壊さないようにお店は慎重に選ぶことを人柱代表としてお勧めいたします。
全国各地いる場所は違えどみなさんがそれぞれの場所で咲き誇り、たまにはグループで近況報告してくれれば離れた場所からでも嬉しくなります。
では、また会いましょう。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?