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カール・ロジャースの心理学:本当の自分を引き出す3つの基本姿勢

生徒
久しぶりに心理学について学びたいと思うんだけど、以前の授業に出てきたカール・ロジャースについて少し教えてもらえるかな?

先生
もちろん、カール・ロジャースについて説明するわね。

カール・ロジャースは、アメリカの心理学者で「来談者中心療法(クライエント中心療法)」を提唱した人なの。彼は、人間の内面には「自己実現に向かう力」があると信じていて、その力を引き出すためには、セラピストが特定の姿勢を持つことが大事だと考えたのよ。

その姿勢を表すキーワードが3つあるの。1つ目は「無条件の肯定的配慮(Unconditional Positive Regard)」で、相手を評価せず、ありのままを受け入れることを意味しているわ。2つ目は「共感的理解(Empathic Understanding)」で、相手の気持ちを深く理解しようと努めることね。3つ目は「自己一致(Congruence)」で、セラピストが自分自身に正直で、偽りなく接することなの。

このアプローチの背景には、「人は誰でも成長し、良い方向に進む力を持っている」というロジャースの人間観があるのよ。だから、セラピストが押し付けるのではなく、クライエントが自分のペースで答えを見つけられる環境を作ることが大事だとされたの。

生徒
ポジティブな感じが少しアドラーと似てるかな?
カール・ロジャースっていつぐらいの人だったんだっけ?
彼の研究の背景(時代背景や系譜)について少し教えてくれる?

先生
そうね、ロジャースとアドラーには「人間には成長しようとする力がある」というポジティブな考え方が共通しているわね。ただ、アプローチの仕方には違いがあるのよ。アドラーは「目的志向性」や「共同体感覚」といった社会とのつながりを重視したのに対して、ロジャースは「個人の内面的な成長」や「自己実現」に焦点を当てたの。

ロジャースは1902年にアメリカで生まれて、1987年に亡くなったの。主に20世紀の中盤から後半にかけて活躍していた人なのよ。彼が活動していた時代は、フロイトの精神分析や行動主義心理学が主流だったの。でも、ロジャースはそういった「診断・治療」を重視するやり方に疑問を持ち、人間をもっとポジティブに、可能性のある存在として捉えたのよ。

彼の考えは「人間性心理学(ヒューマニスティック心理学)」に位置づけられるの。自己実現理論で有名なマズローも同じ流れにいるわ。第二次世界大戦後の、個人の自由や権利が尊重される社会の変化も影響して、ロジャースの「人をありのまま受け入れる」考え方が広まったのよ。心理学だけでなく、教育やカウンセリングにも大きな影響を与えているのよ。

生徒
なるほど、本人の力を信じて、セラピストの影響力を過信しないというのが根本的な考え方なのかな。

さっきキーワードとして挙げていた無条件の肯定的配慮についてもう少し教えてくれる?

先生
そうなのよ、ロジャースの考え方の根本には「その人自身が持っている力を信じる」という姿勢があるの。セラピストが「治してあげる」って考えるんじゃなくて、クライエントが自分の力で成長していけるように手助けすることが大事なのよ。

無条件の肯定的配慮っていうのは、どんな状況でも相手を評価せず、そのままを受け入れることなの。簡単に言うと、「どんなあなたでも大丈夫」という姿勢ね。たとえば、相手がどんなミスをしても、どんな考えを持っていても、批判や否定をせずに受け入れるのよ。

でも、勘違いしやすいのは「すべての行動を肯定すること」ではないってこと。行動そのものを認めるかどうかとは別に、その人の存在そのものには変わらず価値があるという態度を持つことが大切なのよ。

生徒
あー、確かに会話の中でもなんとか助けになろうと、状況改善の助言をすぐにしようとして結果的に相手を否定してしまったりすることって結構思い当たるよ。。。
そうではなくまずは受け入れることが大事なんだね。 それって具体的にはどんな受け答えをすればいいのかな?

先生
そうよね、つい「こうしたらいいんじゃない?」って言っちゃうこと、あるわよね。でも、まずは相手の気持ちをしっかり受け止めることが大切なの。

たとえば、「最近うまくいかなくてつらい」と相談されたら、すぐに解決策を提案するんじゃなくて、こう言ってみるといいわ。

  • 「そうなんだね、つらいって感じてるんだね」

  • 「それだけ頑張ってきたからこそ、余計にしんどいんだね」

相手の気持ちを繰り返して、共感を示すのが大事なのよ。

生徒
なるほど、勉強になる。
その次の共感的理解っていうのはどういうものかな?
無条件の肯定的配慮と似ているような気もするけど。。。

先生
共感的理解と無条件の肯定的配慮、たしかに似ている部分もあるのよ。でも、それぞれ少し違う視点を持っているの。

無条件の肯定的配慮は、「どんな状況でもあなたの存在をそのまま受け入れる」という姿勢なの。それに対して、共感的理解は「相手の気持ちや立場をできるだけ深く理解しようと努める」ことなのよ。

簡単に言うと、無条件の肯定的配慮は「あなたはそのままで価値がある」と伝えることが中心で、共感的理解は「あなたの感じていることを本当に理解したい」という姿勢が大事になるの。

たとえば、友達が「最近、勉強がうまくいかなくて落ち込んでる」と話したとするわね。

  • 無条件の肯定的配慮の例:「大丈夫、頑張ってるんだから、そのままでいいんだよ」
    → これは、相手の気持ちや状況に関係なく、その人の価値を認める態度なの。

  • 共感的理解の例:「そっか、勉強がうまくいかないと、すごく不安に感じちゃうよね」
    → これは、相手の気持ちをより深く理解しようと努める態度なの。

つまり、共感的理解では、相手がどんな気持ちでいるのか、どういう状況なのかをできるだけ「相手の視点」で理解しようとすることが大切なのよ。

生徒
なるほど、より深く共感・理解する努力をするということだね。

先生
そうなのよ。単に「分かったよ」と受け入れるだけじゃなくて、相手の気持ちや考えをできるだけ正確に理解しようとする姿勢が大事なの。ロジャースは、相手の「内面的な世界」を理解しようとすることが、クライエントの成長につながると考えたのよ。

生徒
最後の「自己一致」というのはどういうものなのかな?

先生
自己一致(Congruence)は、ロジャースの理論の中でとても重要な要素なの。簡単に言うとセラピストが「自分に正直でいること」「偽らないこと」がポイントなのよ。

セラピストがクライエントと向き合うとき、無理に優しいふりをしたり、感情を隠して接してしまうと、クライエントは「本当に分かってくれているのかな?」と不安になってしまうのよね。だから、セラピスト自身が自分の本当の感情や考えと一致した態度で接することが大切なの。

たとえば、クライエントが悩みを打ち明けたとき、セラピストが「すごく大変ですね」と言いながら、内心では興味がないと感じていたら、それは自己一致していない状態なの。逆に、「今の話を聞いて、私も少し戸惑っているけど、あなたの気持ちをもっと知りたい」と素直に伝えられれば、クライエントも安心できるわ。

生徒
なるほど、自己一致というのは、セラピストも自分を偽らずにクライエントに接することなんだね。

先生
そうなの。セラピストが自分に正直でいることで、クライエントも「自分も素直でいていいんだ」と感じられるのよ。信頼関係を築くためには、セラピスト自身が本音で接することがとても大切なの。

生徒
ここまで、相手のありのままを受け入れて、共感して、自分自身も素直でいる、というのが基本原則になっていると思うんだけど、これだけだと必ずしもクライエントが自分自身で答えを見つけられるとは限らなくないかな?

先生
いい視点ね。
ロジャースは、「安全で自由な環境を作る」ことが大切だと考えたの。クライエントが自分のペースで自分自身と向き合えるような空間を提供することで、自然と「自分の中にある答え」に気づいていけるのよ。

日常生活では、周囲の期待やプレッシャー、固定観念に縛られて、自分の本当の気持ちに気づきにくくなっていることが多いのよね。でも、ロジャースのアプローチでは、セラピストが評価や押し付けをせずに「ただ受け入れて、共感し、誠実に寄り添う」ことで、クライエントが安心して自分の本音に向き合えるようになるの。

生徒
なるほど、問題を抱えている人は、日常のプレッシャーや固定観念に縛られて、本当の答えにたどり着けていないことが多いから、それらの制約を取り払って素直な声を引き出すことが大事なんだね。

この考え方はすごく素敵だね。

先生
そうよね。ロジャースのアプローチは、人間の持つ力を信じて、相手の自己成長をサポートするという、とても温かい考え方なのよ。セラピストが「何かをしてあげる」のではなく、「その人自身が持っている力を引き出す」というのが、ロジャースの理論の魅力なの。

この考え方は心理療法だけじゃなくて、教育や人間関係、職場でのコミュニケーションにも応用できるのよ。たとえば、友達や同僚が悩んでいるときに、すぐにアドバイスするのではなく、まず「そっか、そう感じてるんだね」と気持ちに寄り添うことで、相手が自分で答えを見つけやすくなるの。

生徒
今日もすごく勉強になったよ!ありがとう!

先生
どういたしまして。そう言ってもらえて嬉しいわ。心理学って、学べば学ぶほど面白いし、実生活にも役立つことがいっぱいあるよね。

またいつでも聞いてね。一緒に楽しく学んでいきましょう。

注意書き

このNoteはchatgptとの会話をベースに記述されています。背景チェックをしていない部分もあるため正しくない記述が含まれている可能性があります。もし誤った記述を見つけられた場合はコメントで教えていただけるとありがたいです。

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