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CLASS GLASS DAYS #3「危険な学生あるある」

高熱のガラスを扱うガラス造形作家ならではの危険な“あるある”が…。さて、それはどんなことなのか? CLASS GLASS事務局スタッフとのひとコマを、ゆるりとお伝えします。

―――ガラスの作業は、わりと危険な作業ですよね。

松尾「そうですね。吹きガラスの作業は、自分の所作と、いっしょに作業をしている人との距離、機材との距離に気をつけていないと、たちまち怪我や事故がおこってしまいます」

川田「日常では扱わない1000度以上のものを扱っているので、ルールを守らないとできない。いっしょに作っている人を怪我させるだけでなく、機材も壊してしまいます。加工機は回転するものが多く、小さなミスが大怪我にもつながります」

工房にある窯。この中はおよそ1200度。少し近づくだけで空気が熱い。

―――いつも普通に作業されていますけど、事故も怪我も怖いですね。

川田「ガラス造形の“学生あるある”なんですが、ある火傷の話があって。私たちはガラスの形を変えていく作業の段階で、いろいろな道具を使います。その中のひとつにハシと呼ばれるものがあります。

ーーーはし?

川田「英語だとジャックという二股に別れている道具です。この先端は熱いガラスを扱うので、当然ものすごく熱くなるのですが、使った後に、どの道具よりも自分の近くに置く必要があるものなんですね。ガラスの作業では、下手な人ほどこれでよく火傷をしてしまうんです。ハシ傷っていうんです」

―――ハシ傷…言葉だけでも痛そう…

松尾「右ひじの手前のあたりをね」

川田「当然学生は技術もとぼしくて未熟なので、いちどは経験するあるあるなんですよ」

※こちらはハシによる作業の参考画像(西川)。
※ハシの先でガラスの形を整えています。
※カーブしている部分も使います。
※握力もけっこう必要。
※そばの台にハシを置く瞬間。油断禁物。

松尾「でも私は、実は最近まであれで火傷したことなかったんだよね、最近やっちゃったんだけど(笑)」

川田「ええ、そうだったんですか! 学生の時はやらなかったんですか!?」

松尾「やんない! やんない! 火傷するのが怖くて、すごく気をつけてたから・・・」

川田「そうだったんですね」

松尾「そうそう」

川田「作り始めの頃って必死すぎて。手元まで見えてなくてサッとやってジュッとやっちゃう!」

ーーーうわっ…

川田「女の子でも火傷のあとがあるので、けっこうたくましいですよ」

―――そうなんですね…

松尾「力が必要な作業も多いから、けっこうムキっともしていますしね、強いですよ!」

作家たちに感じる、どこか逞しい雰囲気は、そういうところに理由があったのでしょうか。これからも怪我、事故には気をつけて素敵な作品を生み出していきたいCLASS GLASSなのでした。

「CLASS GLASS DAYS」は不定期更新予定。次回もどうぞお楽しみに!


(ある日の車移動での一コマでした)